村上は清宮の外れ1位
リーグ連覇へ突き進むヤクルト。その大黒柱が22歳の
村上宗隆だ。天王山となった8月26日からの2位・
DeNA3連戦(横浜)で11打数9安打、4本塁打、9打点と大爆発。球団記録を塗り替える14打席連続出塁で3連勝に大きく貢献した。
村上が入団したのは5年前のドラフト。
清宮幸太郎(現
日本ハム)の「外れ1位」で
巨人、
楽天と指名が競合してヤクルトが当たりクジを引き当てた。ヤクルトにこのドラフトで以下の8選手が入団したが逸材ぞろいであることに気づく。3位の
蔵本治孝、8位の
沼田拓巳は退団したが、6選手が現役でプレーしている。村上と共にヤクルトの黄金時代を担えるか。
【2017年ドラフトのヤクルト指名選手】
1位 村上宗隆 九州学院高
2位
大下佑馬 三菱重工
広島 3位 蔵本治孝 岡山商科大
4位
塩見泰隆 JX-ENEOS
5位
金久保優斗 東海大市原望洋高
6位
宮本丈 奈良学園大
7位
松本直樹 西濃運輸
8位 沼田拓巳 石川ミリオンスターズ
2位の大下佑馬は昨年のシーズン途中にスリークォーターからサイドスローに投球フォームを改造。交流戦明けに一軍昇格すると、23試合登板で18試合無失点と抜群の安定感だった。右打者の内角に食い込む
シュート、外角のスライダーのコンビネーションで凡打の山を築き、直球の威力が増した。
高津臣吾監督と同じ広島市立段原小、段原中で、亜大の後輩でもある。指揮官の勧めでシンカーの習得に励み、さらなる飛躍を誓った今季は開幕一軍入りしたが、10試合登板で0勝0敗1ホールド、防御率4.20。救援陣の層は厚いが割って入りたい。

昨季、リードオフマンとして大ブレークした塩見
4位の塩見泰隆は村上と共にチームに不可欠な存在に成長した。身体能力の高さに定評がありながら一軍定着できないシーズンが続いたが、昨季リードオフマンとして大ブレーク。140試合出場で打率.278、14本塁打、59打点、21盗塁とリーグ優勝に大きく貢献した。今季もリーグ2位の23盗塁と自身初のタイトルを獲得できる位置につけている。パンチ力があり、選球眼も磨きがかかっている。球界でトリプルスリーに最も近い選手の1人だろう。来年3月に開催されるWBCで侍ジャパンの有力候補としても期待される。
内外野を守れる万能選手も
5位の金久保優斗は村上と共に高卒プロ入りの同学年。東海大市原望洋高で3年春のセンバツで初戦・滋賀学園戦で218球の熱投。延長14回に4点を失って敗れたが、しなやかなフォームから繰り出される直球、スライダーで評価を高めた。昨年10試合登板で4勝1敗、防御率2.74と頭角を現し、巨人とのCSファイナルでは3戦目に負傷降板した
原樹理のあとの緊急登板で3回2/3を1失点と好投して勝利に貢献した。今季は3試合登板にとどまっているが、先発の柱として期待される本格派右腕だ。
6位の宮本丈は内外野どこでも守れるユーテリティープレーヤー。野手はレギュラーが固定されているため出場機会が限られているが、巧みなバットコントロールと勝負強い打撃で首脳陣の信頼が厚い。今月23日の広島戦(神宮)で猛打賞をマークすると、翌24日の同戦も3回に同点の適時二塁打。お立ち台に上がり「三番に入っているからと意識することなく、次がムネ(村上)なので塁に出て、チャンスをつくるという普段と同じ気持ちで行きました」と振り返った。真面目な性格で練習熱心でも知られる。
7位の松本直樹は強肩強打に定評がある捕手。今季は
中村悠平が上半身のコンディション不良で戦列を離れていた4月にマスクをかぶると、4月6日の
中日戦(神宮)で2回に左翼席へ決勝2ラン。927日ぶりの一発を放つと、翌7日の同戦でも5回に
高橋宏斗の直球をとらえて2試合連続2ランにベンチは大盛り上がりだった。10試合出場にとどまっているが、出番に備えてファームで鍛錬を積み重ねる。
写真=BBM