
高校日本代表・内海[広陵高3年]は8月31日、大学日本代表との壮行試合[ZOZOマリン]でソロ本塁打を放った
試合前の打撃練習から大学日本代表を指揮する大久保哲也監督(九産大監督)は、高校日本代表スラッガー2人の弾道を警戒していた。
「浅野君(翔吾、高松商高)は威圧感があるし、内海君も打球が違う」
侍ジャパンU-18代表の四番を任された
内海優太(広陵高3年)は、一発回答を出した。大学日本代表との壮行試合(8月31日、ZOZOマリン)。1点を追う4回表一死走者なしから法大・
篠木健太郎(2年・木更津総合高)の146キロストレートを、右中間スタンドへ運んだ。結果的に高校日本代表の唯一の得点となった(試合は大学日本代表が4対1で勝利)。
5回裏を終え、取材に応じた侍ジャパントップチームを率いる
栗山英樹監督は「すごいよね!! 参りました!!」と驚きを隠せない。さらには「誰でも、あの(大観衆の)中で(本塁打を)放り込めるかと言えば、そう(簡単)ではない。話題にさせるのがすごい。私も忘れない」と、衝撃の一発に目を丸くさせた。
栗山監督の言葉を伝え聞いた内海は「壮行試合で打てたのはすごく良い経験だったので、上でやっていく中でも、意味のある本塁打だったと思う」と、高校通算33号を振り返った。
広陵高は今春のセンバツで2回戦に進出したが、夏は県大会3回戦敗退。内海は「テレビで甲子園を見ている中で、悔しい思いがあったので、それが結果につながったのかな、と思う」と淡々と語った。
内海の父・将人さんは日大三島高、法大、東芝を通じて、右のスラッガーとして活躍。法大では
稲葉篤紀(東京五輪日本代表監督)と同級生だった。内海の兄・壮太さんは法大2年(御殿場西高出身)で内野手としてプレーしており、野球DNAが脈々と継がれている。
夏の無念を胸に、侍ジャパンのユニフォームに身を包む内海。「チーム一丸となって、目標は世界一です」。3年間、育ててもらった広陵高の代表として、U-18W杯(アメリカ・フロリダ)のグラウンドに立つ。
文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎