短期決戦に強いソフトバンク

ソフトバンクにとって甲斐の打撃の状態が上がっているのは大きい
クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでのソフトバンクの戦いぶりを見て、やはり短期決戦でホークスは強いなと感じました。攻撃で言えば送りバント、進塁打などをきちんとこなして主砲の
柳田悠岐に回していく。CSでは回ってきたチャンスでしっかりと柳田が本塁打という結果で応えていましたね。逆に
西武はそれができませんでした。柳田は状態が上がってきていますね。ベース上に入ってきたボールは待っていた球種でなくても、反応できてしまう。2戦目の3回、
今井達也の低めのスライダーを泳ぎながらも右翼テラス席に運んだ満塁弾は、まさにそのような感じでした。
投手陣も経験の差がありました。ソフトバンクの
千賀滉大-
甲斐拓也のバッテリーは初戦、5対3で迎えた8回、二死一、三塁で
栗山巧を打席に迎えた場面ですごく時間を使って勝負していましたよね。それも、この場面の怖さが十分に分かっているから。甲斐もサインの指がすぐに出せないくらい悩んでいました。カウント2-2から3球、ファウルで粘られた末、最後はフォークで空振り三振に仕留めましたが、この窮地を脱したことで、またバッテリーの経験値が上がったと思います。
さて、ソフトバンクは
オリックスとのCSファイナルステージに挑みますが、その甲斐のバッティングの調子が上向きなのは大きいでしょう。シーズンでは打率.180、1本塁打、27打点に終わっていた甲斐。そのためソフトバンク打線は下位で切れること多かっですが、CSファーストステージ第2戦で甲斐が2本の適時打を放ってチームも8対2の快勝。甲斐が打てば上位にもつながり、打線に切れ目がなくなります。
もちろん、CSファイナルステージでは1勝のアドバンテージがあるオリックスが有利なのは間違いありません。オリックスの先発は2年連続投手4冠を獲得した
山本由伸で、ソフトバンクにとって難攻不落なのは確かでしょう。ただ、ソフトバンクは西武相手にいい内容で勝ち上がってきた。さらに、シーズン最終戦に逆転で優勝をさらわれた悔しさを晴らしたい思いが強い。山本相手にもいい勝負をする可能性は高い。いずれにせよ、初戦の勝敗がCSファイナルステージの行方を左右するのは間違いありません。
写真=BBM