世界相手に2勝をマーク

U-23W杯[台湾]で優勝した侍ジャパンU-23代表は10月24日に帰国。三菱自動車岡崎・富田蓮[阪神6位指名]は金メダルを手に、笑顔を見せた
V奪回を目指す、虎の救世主になるかもしれない。
阪神からドラフト6位で指名された三菱自動車岡崎・富田蓮は「世界一」に上り詰めた即戦力サウスポーだ。
侍ジャパンU-23代表として出場したU-23W杯(台湾)で3大会ぶり2度目の優勝。富田はエースとして4試合に先発し2勝を挙げ、16回2失点(自責点1、防御率0.56)と抜群の安定感で、最優秀投手とベストナインを受賞した。イニング数を上回る21奪三振と「真っすぐで押し、緩急(カーブ)を使ったピッチングで圧倒できた。(最速145キロの)自分のストレートが通用した」と胸を張った。
10月20日のドラフト会議当日は、オーストリアとのスー
パーラウンド初戦。「打者を抑えることに必死。試合に集中していました」と、6回1失点(8奪三振)とゲームメークし、チームの勝利に貢献した。ドラフトの結果を知らされたのは、思わぬ場所だった。「ドーピング検査中に指名された、と。指名される瞬間を見たかったな、という思いもありますが……。いつの間にか選ばれていた感じです」と苦笑いを浮かべた。
すでに、タテジマのユニフォームに思いを馳せる。
「プロの世界は甘くないことは、分かっています。自分のピッチングスタイルは崩さずに、壁にぶつかったときに考える。まずは自分のできることをやっていきたいです」
大垣商高から入社3年目。21歳とは思えない落ち着きが印象的だ。阪神には三菱自動車岡崎で1年間プレーした
中野拓夢がおり、チームに溶け込むのも早そうだ。2023年の虎の新戦力として、期待は高まるばかりである。
文=岡本朋祐 写真=BBM