リベンジ成功は15度中、2度

ここまで高津監督率いるヤクルトが2勝1分けと日本シリーズをリードしている
2022年の日本シリーズはセ・リーグがヤクルト、パ・リーグは
オリックスと2年続けて同一カードとなった。昨年はヤクルトが4勝2敗で制して20年ぶりの日本一に輝いたが、これまでの日本シリーズで2年連続以上で同一カードとなった場合の勝敗を振り返ってみよう。
最初に連続で同一カードになったのは1953年の第3回日本シリーズだ。前年の覇者・
巨人が南海を迎え撃ったが返り討ちに。巨人は翌年も南海を退けて3連覇を成し遂げている。逆に56年からの西鉄3連覇のときは、いずれも敗れたのは巨人だった。
65~73年の巨人V9でも当然、連続同一カードが生じている。当時、パの覇権を競っていたのは南海と阪急で、前者は65、66年、後者は67~69年と71、72年に巨人に挑み、高い壁を越えることができなかった。だが阪急は75年に
広島を破って日本一になると、翌年からは2年続けて巨人を下し、3連覇を飾っている。
79年に「江夏の21球」で日本一となった広島は翌年も近鉄を撃破。ここまですべて前年覇者が翌年も挑戦者を返り討ちにしてきたが、初めて逆転したのが93年のヤクルト。
野村克也監督のもと、前年に3勝4敗で苦杯をなめていた
森祇晶監督率いる
西武に、今度は4勝3敗でリベンジに成功している。
そこからしばらくは連続同一カードがなかったものの、2007年に
日本ハムと
中日による2年連続同一カードが実現。この年からクライマックスシリーズが導入され、中日はリーグ2位から日本シリーズに進出し、最後は
山井大介と
岩瀬仁紀の継投による完全試合で前年に敗れた日本ハムを4勝1敗で下している。
記憶に新しいのは19、20年の
ソフトバンク。2年連続で巨人を4連勝で退けるという、これ以上ない形での連覇を成し遂げている。
3連覇を2度の連覇成功と計算するなら、同一カードでの「連覇成功率」は11/13で84.6パーセント、裏返しの「リベンジ成功率」は2/13で15.4パーセントと、過去の数字だけを見るなら意外なほど極端な差がついている。今年は第3戦を終えてヤクルトの2勝1分け。果たして今年はヤクルトの連覇か、オリックスのリベンジ成功か、楽しみに結果を待ちたい。
写真=BBM