87年のV戦士たちに落合を突っ込むと

のちに巨人でプレーすることになる落合
1986年オフ、
ロッテで2年連続3度目の三冠王に輝いた
落合博満のトレード志願は衝撃的だった。有力だったのが巨人への移籍だったが、最終的には
牛島和彦ら4人との交換で
中日へ。就任したばかりの
星野仙一監督が「オチ(落合)を巨人に取られたら10年は優勝できん」と球団にハッパをかけたためだという。
ただ、のちに巨人へFAで移籍することになる落合。もし移籍のタイミングが86年オフだったら、どうなっていただろう。歴史にifはナンセンスだが、『はみだし録』らしく、はみだしながら考察してみたい。とはいっても、やることはシンプル。週刊ベースボール関連のムック本などにある巨人のベストオーダーに、落合を四番で、守備位置を変えずに強引に入れ込み、ポジションの重なる選手を自動的に外すと、以下のようになる。
1(左)
松本匡史 2(遊)
岡崎郁 3(中)
クロマティ 4(三)落合博満
5(右)
吉村禎章 6(二)
篠塚利夫 7(一)
中畑清 8(捕)
山倉和博 9(投)
桑田真澄 落合は86年も87年も三塁手だった。実際の87年は落合がいなくても巨人は優勝しているのだが、そんなリーグ最強の打線から落合に弾かれる形となったのは、落合の獲得に当たって85年オフにも落合の獲得を狙っていた巨人が「原(辰徳)以外なら誰でも出す」と言っていたという四番の原だ。ちなみに、トレード要員として名前が挙がっていたといわれるのは
西本聖、
斎藤雅樹、
水野雄仁ら投手たちで、原は同じ三塁手でもあり、原が残留であれば、激しいポジション争い、あるいは守備に器用な面々でもあり、玉突きのような守備のコンバートが展開されていただろう。そうなると……。
歴史のifは夢の世界。数のいる酒席の後ろめたさも薄くなってきたなってきた昨今。続きは皆さん、ビールでも片手に。
文=犬企画マンホール 写真=BBM