ともに侍ジャパンU-18代表でプレー

履正社高・光弘[左]と広陵高・内海[右]は明大に進学。今春からの東京六大学リーグでの活躍が期待される
今春、明大に入学する履正社高・
光弘帆高内野手と広陵高・
内海優太外野手が1月29日、東京都府中市内の「島岡寮」に入寮した。
2人は昨年9月、侍ジャパンU-18代表で日の丸を背負い、U-18W杯(アメリカ開催)で銅メダルを獲得した。光弘は言う。
「かなり、仲が良いです。(アメリカへ出発する前の)東京合宿では部屋が隣。明治大学への進学が決まって以降も、分からないことがあれば聞いたりしていました」
14時過ぎに入寮すると、マネジャーから内海と同部屋であることが知らされた。光弘にとって、初めての合宿生活である。
「内海とは学部が一緒(商学部)なんです。誰になるだろう? と思っていたら内海で!! めっちゃ、うれしいです!!」
内海は1時間後に入寮。光弘と同部屋であることを確認すると「入寮前、荷物とかを確認していたんです。一緒だと聞いて少し、安心しました」と笑顔を見せた。
光弘は右投げ左打ちの内野手。もともとプロ志向が強かったが、2年秋の公式戦終了時点で当時、履正社高を率いていた岡田龍生監督(現東洋大姫路高監督)と進路について面談した。
「まったく(プロからの)評価はなかったので、大学の場合は早めに決めておかないといけない」と、進学に方針転換。高校時代からあこがれの存在だった2学年上の先輩・
池田凛(3年・履正社高)の影響で、明大を志望した。
強肩堅守、巧打の遊撃手であり、ディフェンス力には絶対の自信がある。明大には2年秋までに61安打を放ち、昨年は大学日本代表でもプレーした不動のショートストップ・
宗山塁(3年・広陵高)がいる。
「打球への入り方など、宗山さんの動画を見て参考にしてきました。どんどん聞いてレベルアップにつなげていきたい。『ほかのポジションを守れ』と言われれば、臨機応変に対応したい。でも最終的にはショートを守りたいです。4年後? 絶対にプロへ行きます」
揺らがなかった大学進学
内海は左投げ左打ちの外野手兼一塁手。広陵高で宗山の2学年後輩にあたる。
「入学から夏までの少しの間だけでしたが、一緒にやらせていただきました。3年夏に引退されてからは、練習を見てもらいました。背中で、プレーで引っ張るキャプテン。大学も宗山さんの背中を追いかけて頑張っていきたい、と。レベルの高い、東京六大学でプレーをしたいと思っていました」
父・将人さんは日大三島高、法大、東芝でプレー。内野手の兄・壮太さんは御殿場西高(静岡)から法大へ入学し、今春から3年生だ。
「父からは『自分なりに頑張れ!!』。兄からは『お互い頑張ろう!!』と言われました」
高校通算34本塁打。昨春のセンバツ甲子園では、シュアな打撃を披露した。夏の甲子園不出場ながら、U-18代表入り。昨年8月31日、大学日本代表との壮行試合(ZOZOマリン)では法大・
篠木健太郎(3年・木更津総合高)から右越え本塁打を放っている。
「夏は県大会3回戦敗退。気持ち的に下がっていたところで、U-18に選ばれ、実力はなかったですが四番を任され、木製バットで打てたのは、自信になりました。この先の野球人生にも影響してくるホームランでした」
大観衆の中で、驚愕の一発を放っても、大学進学の方針が揺らぐことはなかった。
「少しは通用するかな? とは思いましたが、大学4年間をしっかりやって、木製バットにも順応していかないといけないと思いました。浅野(翔吾、高松商高-
巨人)らU-18でプレーした仲間が、プロに入っている。置いていかれないように『4年後、待っていろよ!!』という気持ちです」
明大は昨年、東京六大学で春秋連覇、11月の明治神宮大会では6年ぶり7度目の優勝を遂げた。ドラフトでは昨年まで13年連続指名と最長記録を更新中。グラウンド、寮、室内練習場が広大な敷地内に併設され、大学野球界で全国屈指の施設が整う。田中武宏監督以下、熱心な指導者にも囲まれており、恵まれた環境で、4年間で成長できる土壌がある。光弘、内海とも今春からの東京六大学デビューを目指しており、神宮で躍動する日が待ち遠しい。
文=岡本朋祐 写真=BBM