今夏の目標は「全国制覇」

愛産大工高の148キロ右腕・天野は高校卒業後の「プロ志望」を表明した
チャレンジしなければ、前に進むことはできない。全国屈指の強力打線に、真っ向から立ち向かった。
愛産大工高の148キロ右腕・
天野京介(3年)は3月5日、センバツに出場する智弁和歌山高との練習試合で、確かな足跡を残した(試合は7回表の智弁和歌山高の攻撃で終了。9対2で智弁和歌山高が勝利)
出番は突然、訪れた。3回表に味方投手陣の制球が乱れ、2人が交代。だが、相手の流れを食い止めることができず、鈴木将吾監督は「これは、アカン。抑えてこい!」と、当初から前倒しでエース・天野をこの回3人目の救援投手として起用した。二死満塁。天野は心と体を準備しており、見逃し三振に斬った。
「気持ちの強さが武器。常に、実戦で投げていたい選手。技術的には指先が器用で、その日の調子に合わせて、ボールを操ることができる。この冬場も黙々と体幹を鍛え、筋力が上がった。信頼しています」(鈴木監督)
3回1/3を投げて3失点。4回から6回までは、それぞれ1失点。全国屈指の強力打線にとらえられたが、最少失点で抑えた。
前日はセンバツ出場の敦賀気比高(福井)との練習試合に登板して4回1失点で、最速143キロを計測した。智弁和歌山高との一戦は最速141キロ。「疲労があったので、自分のできることをやりました。どれだけ力を試せるかと思いましたが、自己採点は50点。制球力と、ストレートの質がまだまだです。夏までに課題をつぶしていきたいと思います」と語った。挑戦しなければ、課題を得ることもできない。天野はマウンドで逃げなかった。
智弁和歌山高の注目打者・青山達史(3年)との対戦は一邪飛、見逃し三振に抑えた。いずれもウイニングショットはスライダー。「合っていないと感じたので」。間合いを見て配球を考え、手応えを得た投球内容だった。
天野は高校卒業後の「プロ志望」を表明。この日は、多くのNPBスカウトが視察した。
「気にはなりますが、プレッシャーには感じないようにしていました。見られることに慣れないといけない。負けないようにしたい」
愛産大工高は春夏を通じ甲子園出場はないが、天野は今夏の目標を「全国制覇」と力強く語る。2023年夏、激戦区・愛知で歴史の1ページを記すつもりだ。
文=岡本朋祐 写真=佐藤真一