「また取り返すつもりで」

史上初の2度目のセンバツ連覇を目指す大阪桐蔭高・前田はキャプテンの風格が漂う[写真=宮原和也]
2017、18年以来、大会史上初となる2度目のセンバツ連覇へ、思いを新たにした。
大阪桐蔭高の148キロ左腕・
前田悠伍(3年)は3月18日、開会式で前年優勝校の主将として紫紺の大優勝旗を返還した。昨秋は近畿大会優勝、明治神宮大会では大会初の2年連続優勝。昨秋の新チーム結成時から掲げていた「部員全員」で返還する目的を果たした。
「あらためて甲子園は、最高の舞台であると感じました。優勝したい。その気持ちがより強くなりました。優勝旗を返しましたが、また取り返すつもりでやりたいと思います」
前田は2年春(優勝)、2年夏(8強)と甲子園を2回経験しているが、アルプス席からの後押しは格別だという。しかも、今大会からは声を出した応援が4年ぶりに解禁される。
「大阪桐蔭の応援は力になります。いつもいろいろな曲や新しい曲を演奏してくれ、ありがたいです」

甲子園のネット裏席にはNPB12球団のスカウトが集結。ドラフト注目左腕の投球を視察することになる[写真=田中慎一郎]
甲子園のネット裏には12球団のスカウトが集結。ドラフト1位でのプロ入りを目指す前田にとって、最高のステージが整っている。
「連覇がかかっており『春日本一』を毎日のように言い続けてきましたが、目標を達成するためにもまずは初戦。一戦必勝で頑張っていきたいです」
報道陣からの受け答えも、堂々としたもの。人生で初めての主将だというが、一冬を越えて、すっかりリーダーの風格が漂う。大阪桐蔭高の初戦(2回戦、対敦賀気比高)は第3日第3試合(3月20日)。昨年の段階から「世代No.1」と評判が高い、超高校級サウスポーの投球から目が離せない。
文=岡本朋祐