セで固定打順で全試合出場は7人

阪神は開幕からここまで一番・近本、四番・大山[写真]は完全に固定されている
ペナントレースはだいたい40試合を消化したところ。選手起用でまだがっちり固まっていないチーム、今季の戦い方の形が確立しつつあるチームとさまざまだ。
5月22日現在、開幕から固定された打順で全試合に出場しているのはセ・リーグでは7人いる。
神 一番・
近本光司 試40 率.318 本2 点23
四番・
大山悠輔 試40 率.301 本4 点25
デ 一番・
佐野恵太 試38 率.261 本8 点22
四番・
牧秀悟 試38 率.275 本8 点27
巨 四番・
岡本和真 試41 率.303 本7 点21
広 三番・
秋山翔吾 試40 率.360 本2 点18
ヤ 四番・
村上宗隆 試41 率.207 本7 点24
中 なし(四番・
石川昂弥、七番・
木下拓哉=試30)
現在首位の阪神は一番・近本光司と四番・大山悠輔は固定されていて、ともに打率3割をマーク。近本はリーグ3位の出塁率.417、盗塁4、リーグトップの得点27と十二分に一番の役割を果たしている。四番・大山も本塁打こそまだ4本だが、打点25はリーグ2位タイの成績だ。また二番・
中野拓夢39、三番・
ノイジー36、五番・
佐藤輝明37と五番までの上位はほぼ固定打線。チーム本塁打はリーグ5位の21本だが、チーム得点はリーグ3位の161。1位の
巨人には3差しかない。
チーム打率.269は12球団トップの
DeNA。こちらも序盤は好調で一番・佐野恵太、四番・牧秀悟が固定されている。佐野は打率2割6分台だが、首位打者経験者で以前は四番も任されたこともあり、本塁打8と一発が多く、打点も22と多い。3年目の牧も打率は2割7分台も本塁打8、打点27は堂々のリーグトップ。こちらも三番・
宮崎敏郎27、五番・
桑原将志28、六番・
関根大気31と阪神同様固定されている打順が多い。
この2球団は一番と四番が固定されていて打線は好調。現在首位争いを演じている。
巨人は四番・岡本和真、
広島は三番・秋山翔吾、
ヤクルトは四番・村上宗隆が全試合同打順。巨人は岡本和が開幕から好調をキープしていたが、五番の
中田翔以外はなかなか打順が決まらなかった。ところが5月に入り中田翔が故障したあと、しっくりした打順が決まったようで5連勝し、貯金1まで戻している。広島は三番の秋山に加え、一番・
菊池涼介、四番・
マクブルームもほぼ固定されている。
ヤクルトは四番・村上の4月の不調、
塩見泰隆、
山田哲人の故障で一、三番が固定できず苦しんでいる。故障の2人も戦列復帰を果たし、これからの巻き返しに期待だ。
最下位の
中日はセ・リーグで唯一、全試合同打順の出場がない。打線で苦戦しているが、4月14日から四番を任された石川昂弥、最近三番を打っている
細川成也らがきっちり固まれば違った結果が出てくるだろう。
パの全試合で同打順出場選手は?
セ・リーグの一~五番までの球団別の選手数は次のとおり。
球団 一 二 三 四 五
神 1 2 4 1 2
デ 1 9 5 1 3
巨 6 8 6 1 4
広 5 6 1 2 3
ヤ 9 12 3 1 3
中 2 7 6 4 7

ロッテは山口をはじめ6人の選手を四番で起用している
一方パ・リーグは全試合で同打順の選手は一人もいない。一~五番までの球団別の選手数は次のとおり(カッコ内は最多)。
球団 一 二 三 四 五
ロ 6 6 8 6 5(三番・
中村奨吾28)
ソ 5 9 2 2 7(九番・
甲斐拓也34)
オ 8 7 3 5 6(一番・
茶野篤政25)
日 9 14 9 5 9(四番・
野村佑希35)
西 4 11 2 3 6(三番・
外崎修汰40)
楽 5 9 5 4 8(三番・
浅村栄斗22)
これを見ると
ソフトバンクの三番と四番とある程度固定されている。三番は
近藤健介21、
柳田悠岐17、四番は柳田悠岐21、
栗原陵矢17。でもソフトバンクで一番固定されているのは九番の甲斐拓也だ。
現在・首位のロッテはクリーンアップでも三番8人、四番6人、五番5人と数多くの選手を起用している。開幕当初は四番で
山口航輝を使ったが、4月末に左足太ももを負傷し離脱。その後17試合で四番は5人も起用している。
月末から交流戦が始まるが、まったく違う打順の傾向がある両リーグの戦い方も面白そうだ。
文=永山智浩 写真=BBM