バラエティーに富む先発陣

交流戦最終のDeNA戦に勝利し、観客の声援に応える新庄監督
6月19日のDeNA戦(横浜)、延長10回に
万波中正の勝ち越しソロが飛び出し、4対3で勝利した
日本ハム。交流戦は2つ勝ち越し、10勝8敗で終えた。通算では4つの借金で、3位・
ロッテとは6ゲーム差の4位だが、今後、さらなる上昇が期待できる。一番の要因は充実した投手陣だ。チーム防御率2.75は12球団1位を誇り、投手王国の雰囲気が漂い始めているように感じる。
先発陣はバラエティーに富む。
上沢直之、
加藤貴之、
鈴木健矢、
伊藤大海、
上原健太、
北山亘基と左腕、右腕、速球派、軟投派、そして下手投げとそれぞれだ。これは大きなアドバンテージとなっているだろう。

6月16日の中日戦で6勝目をマークした上沢
上沢は開幕当初は投球が乱れることもあったが、ここに来て安定した投球を繰り広げている。6月16日の中日戦(バンテリン)では2回、
細川成也に外角高めのストレートを打たれ、右翼席へ先制ソロをたたき込まれたが慌てない。上沢の武器はスピンの効いた高めのストレート。その後も自分のピッチングを貫き、8回1失点で6勝目をマークした。
翌日の同カードでは伊藤が先発。1回から3点まで1点ずつ奪われたが、4回以降は無失点。7回を終えた時点で日本ハムは4対3とリードし、伊藤は87球しか投げていなかったが、リリーフへスイッチ。
河野竜生、
池田隆英、
田中正義のリレーでゼロに抑え勝利をつかんだ。伊藤はこれまで終盤で急に崩れることが目立っていたが、リリーフ陣に自信があるからこそ、勝敗を託すこともできたのだろう。
田中正は11セーブを挙げているが、この守護神の存在も大きい。ボール先行しても慌てない。力強いストレートをストライクゾーンに投げ込み、空振りやファウルなどでカウントを戻していく。徐々に自信をつけているように感じる。

リーグトップの13本塁打をマークしている万波
これで得点力が上がっていけば、上位に食らいついていけるはずだ。カギを握るのは四番・万波だろう。リーグトップの13本塁打を放っているが、強引さがなくなり、安定感が出てきた。センター中心に打ち返していく。この打撃を続けられれば、いい状態を維持いていくことができるだろう。9本塁打を放っている“強打の捕手”マルティネスの存在も大きい。
6月23日からリーグ戦が再開する。ペナントレースはまだ半分以上を残っているが、日本ハムは台風の目となるだろう。Aクラス入りする可能性も十分にある。
写真=BBM