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DeNA・バウアーが球宴出場を熱望 最後の望みの「プラスワンで選出」望む声が

 

ファン投票では2位


サイ・ヤング賞を獲得した実力をNPBで存分に発揮しているバウアー


「マイナビオールスターゲーム2023」のプラスワン投票が7月6日にスタートした。投票期間は12日まで。14日に発表されるが、球宴への出場を熱望している右腕がいる。DeNAのトレバー・バウアーだ。

 バウアーは6月6日に、自身のツイッターを更新。「僕に投票するのに毎日30秒くれたら過去最高の30分版オールスターVlogをお届けするよ」と英語と日本語で球宴のファン投票を呼びかけていた。結果は今季6勝4敗、防御率1.78とブレークした阪神村上頌樹が1位で28万1990票。最終中間発表で3位だったバウアーは投票を呼び変えるメッセージの後に猛追し、巨人戸郷翔征を抜いて2位の23万5943票を集めたが惜しくも届かなかった。監督選抜でも選出されず、残る可能性はプラスワンのみでの出場となった。

「外国人選手が日本で開催される球宴に出場を熱望するケースは珍しい。バウアーのパフォーマンスを見れば、球宴に出場する価値がある投手であることを証明している。投球技術、スタミナだけでなく、献身的な姿勢でDeNAを優勝に導きたいという熱い思いを感じる。個人的には球宴でどんな投球を見せてくれるのか興味深いので、プラスワンでの選出に期待しています」(スポーツ紙デスク)

中4日でも安定した投球


 サイ・ヤング賞を獲得した現役バリバリのメジャーリーガーがDeNAに電撃入団したのは開幕前。2021年6月以来実戦登板から離れていたため、春先は集中打を浴びる登板が続いたが、修正能力の高さも一流の証だ。来日初の中4日の登板となった6月14日の日本ハム戦(横浜)で113球を投げ込み、3安打1失点で来日初完投勝利をマークした。

 野球評論家の伊原春樹氏は週刊ベースボールのコラムで、「来日初完投で4勝目を挙げたが、驚異的なのはこの試合は中4日での先発マウンドだったということだ。それでも最後の打者に156キロをマークする剛腕ぶり。レッズ時代の2020年にサイ・ヤング賞を獲得した実績のあるバウアーだが、中4日にもかかわらず余力を残して9回でギアを上げるピッチングをできる投手は、そうはいないだろう。何度も言うが、それにしても中4日で、である。だからこそ、中6日で回っている日本球界の先発投手なら、もっと最後まで投げ切る意識を持ってもらいたいという思いに至る」と称賛していた。

 交流戦3試合登板で3勝0敗、防御率1.50。抜群の安定感でパリーグの強打者たちを封じ、球団初の交流戦優勝に大きく貢献した。

リーグ戦再開後も上り調子


 リーグ戦再開後もきっちり試合を作っている。来日2度目の中4日で登板した今月6日のヤクルト戦(横浜)では来日最多の128球の熱投で、4安打2失点完投勝利。要所をきっちり抑える投球は他の投手のお手本だ。味方が逆転した直後の6回。先頭打者・山崎晃大朗に四球を与えたがクリーンアップ相手にギアを上げた。ドミンゴ・サンタナを外角低めのスライダーで空振り三振、村上宗隆を落差の鋭いナックルカーブで空振り三振、ホセ・オスナをフルカウントから156キロの直球で3者連続空振り三振に仕留めて雄叫びを上げた。

 1点差に迫られた8回二死一塁でも村上を外角低めのナックルカーブで見逃し三振に仕留め、再び吠えた。主導権を相手に渡さない投球には魂が込められていた。「ユメ、カナウマデチョウセン!」とお立ち台で呼びかけた右腕は「グラウンドでの成功はお客様の皆さんの声援のおかげです。この光景は本当に素晴らしいです」と感謝を口にして、大歓声を浴びた。

 昨年の球宴はプラスワンで巨人・小林誠司、日本ハム・清宮幸太郎が選出され、1戦目に途中出場した清宮は同点の9回に左中間へサヨナラアーチを放った。今年は球宴でどんなドラマが繰り広げられるか。そして、バウアーの勇姿が「夢の祭典」で見られるか。

写真=BBM
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