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【高校野球】4年ぶりの甲子園へ快勝 「伝統校対決」をコールドで制した習志野

 

初回に一挙12得点の猛攻


習志野高の主将・日下は伝統校を攻守でけん引している


 習志野高と銚子商高による千葉県大会3回戦(7月15日)。甲子園優勝経験校対決に柏の葉公園野球場は、外野席も埋まる超満員で、試合前から異様なムードに包まれた。

 初回の攻防が、明暗を分けた。

 1回表、銚子商高は先頭の鵜澤煌星(3年)が中前打。二番・渡邉太陽(3年)の三ゴロで一塁走者が封殺も、三番・押本柊也(3年)が右前打で続き、押せ押せの流れである。しかし、四番・加藤澄海(3年)は三ゴロ併殺打で、先制のチャンスを逃してしまう。

 1回裏、習志野高は打者17人の猛攻で一挙12得点。2回以降は追加点を奪えなかったが、12対0で5回コールド勝ちを収めた。両校の力の差は、そこまでなかったはずだ。結果的に、立ち上がりの入りの差が出た。習志野高の主将・日下遙琉(3年)は振り返った。

「(大観衆の場内の盛り上がりで)普段は起こらないことが、起きるかもしれない。初回に守備陣がもり立て、(先発投手の)小城(知)を中心に粘れた。その裏の攻撃で、自分たちの流れに持っていけたのが良かった」

 銚子商高が1回表に先制していれば、ゲームの流れは大きく変わっていたはず。どちらに転んでもおかしくない展開であった。

 1回裏に先制打を放った四番・佐藤鷲哉(3年)には、特別な思いがあった。

「好球必打。1球で仕留められたので良かったです。昨年の春、先輩たちが(銚子商高との準々決勝を4対8で)負けていたので『先輩の分も』と思ってこの一戦を戦いました」

 習志野高は夏2度(1967、75年)の全国制覇、銚子商高は夏1度(74年)の全国制覇。千葉県高校野球おける「黄金カード」も、今の選手からしてみれば、過去の話。試合前も、古豪「CHOSHO」のユニフォームを前にしても、「伝統校対決」について特別な指示はなかったという。佐藤は「お客さんが多いので楽しんでやろう!! という思いだけでした」と明かすように、冷静に臨めた。

 主将の日下は「初戦(2回戦)は厳しい試合内容(8対5)だったので、この試合で悪い流れを断ち切ろう!! という話をしていたんです。初回に得点できたのは良かったです」と収穫を語った。春夏連続出場を遂げた2019年以来の甲子園へ、Aシード(春の県大会ベスト4)は勢いに乗ってきている。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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