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【大学野球】強いチームを証明! 「ロースコア」「打ち合い」での粘り合い…勝ちパターンが豊富な慶大

 

「慶應の年にしたい」


慶大・本間[右]と宮崎[左]が立大2回戦で、それぞれ2本塁打。2人は2つのホームランボールを手に、笑顔を見せた。慶大は連勝で勝ち点1とした[写真=矢野寿明]


 東京六大学リーグ戦の第1週で、慶大は立大に連勝し勝ち点1を挙げた。

 2回戦(9月10日)は12安打11得点を挙げ、打撃戦を制した。七番・三塁の本間颯太朗(3年・慶應義塾高)は2回表の2ランがリーグ戦初本塁打。7回表にはソロアーチを放った。また、1回戦で右方向へ本塁打を放った五番・捕手の宮崎恭輔(4年・国学院久我山高)が6回表に2ラン、9回表に試合を決める2ランと、慶大が空中戦を制した。

 慶大・堀井哲也監督は1年時から、本間の打撃センスに惚れ込んでおり、今春の開幕前には「首位打者を獲るぞ」と発破をかけていた。全15試合に出場し、初めて規定打席に到達したものの、打率.200、3打点と苦しんだ。

 この夏場は同じ右打者である主将・廣瀬隆太(4年・慶應義塾高)に弟子入りし、長打力アップに磨きをかけてきた。堀井監督からの熱血指導も実り、開幕カード2試合で8打数4安打と好スタートを切った。今秋は「打率.350、4本塁打」を目標としている。

 宮崎のバットも止まらない。1回戦は逆方向、2回戦は2本とも豪快に左翼へ引っ張り、パワーを存分に見せつけた。堀井監督は「一番、しつこく、実戦的なバッター。やっと、廣瀬に並ぶだけの力をつけてきた」と成長を認める。今夏は侍ジャパン大学代表として日米大学選手権に出場(優勝)。レベルの高いチームの中でもまれ、さらに意識レベルが上がった。卒業後は社会人野球に進む予定で、2年後のプロ入りを目指していくという。

 慶大は2021年秋以来の天皇杯奪還が最大のテーマだ。次カードは第3週(9月23日から)に組まれる法大戦。堀井監督は立大との2試合を終えて、確かな手応えを得た。1回戦を3対2、2回戦は11対7というスコアを引き合いにして、こう見解を示している。

「ロースコアでの粘り合いもあるが、打ち合いでの粘り合いもある。苦しいゲームだった。一戦一戦、次の試合、前を向いていきたい」

 勝ちパターンが豊富なのは、強いチームの証明だ。今夏の甲子園では、慶大の一貫教育校である慶應義塾高(神奈川)が107年ぶり2度目の全国制覇を遂げた。この日も、神宮の杜では応援歌『若き血』の大合唱。塾内では甲子園優勝の興奮は今もなお続いており、宮崎は「慶應の年にしたい」と力強く誓った。

文=岡本朋祐
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