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【大学野球】V争いの天王山で初戦を落とした明大 伝統として浸透している簡単に連敗しないしぶとさ

 

指揮官は春秋連覇を強調


明大は主将・上田がチームをけん引しているが、85年ぶりのリーグ4連覇へ正念場を迎えた[写真=矢野寿明]


[東京六大学秋季リーグ戦]
10月14日(神宮)
慶大5-2明大(慶大1勝)

 東京六大学リーグで85年ぶりの4連覇を目指す明大が慶大1回戦を落とした。6勝1敗、勝ち点3(慶大は1分を含む)で並んだ第6週・慶大との直接対決は、言うまでもなく、V争いの天王山だ。

 初戦で負けても、明日がある。東京六大学リーグ戦は、2勝先勝の勝ち点制。試合後の明大・田中武宏監督に焦りは一切見られなかった。この日、先発した右腕エース・村田賢一(4年・春日部共栄高)は初回に5失点。2回以降は何とか立ち直り、3回で降板した。

「その時点で負けを考えていたわけではありませんが、(3回戦を想定して)月曜日もある。球数は(3イニングで)58球ですか……。そこで止めておこう、と」

 慶大の先発・外丸東眞(2年・前橋育英高)を打ちあぐね、2対5で敗れたが、悲観した様子はない。3回から3イニングを無安打無失点に抑えた右腕・高須大雅(2年・静岡高)、7回から2イニングを1安打無失点に抑えた右腕・大川慈英(2年・常総学院高)の力投は、2回戦以降につながる充実の内容だった。

 粘りの明治が、真骨頂である。簡単に連敗はしないしぶとさが、伝統として浸透している。今秋も早大1回戦を落としてから、2、3回戦で連勝。消耗戦には、絶対の自信がある。

 田中監督は選手に対して「言わなくても、分かっている」と、2回戦以降の立て直しに手応えを語る。

 報道陣から85年ぶりの4連覇について問われると、田中監督は「そこは、頭にないので……。春に続いてのこと」と、あくまでも2023年度としての春秋連覇を強調した。つまり、指揮官が常々言う「チーム・上田」としての連覇である。ただ、気がかりなのは主将・上田希由翔(4年・愛産大三河高)が右足を痛めて途中交代したこと。田中監督は軽傷を強調したが、慶大2回戦もチームリーダーが元気にグラウンドに立つことを祈るばかりだ。

文=岡本朋祐
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