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首都大学リポート

帝京大が終盤に猛攻見せ1勝1敗のタイに 穴水芳喜が3打数1安打2打点と攻守にわたり活躍【首都大学リポート】

 

不動の四番としてけん引


大事な一戦で2打点を挙げた帝京大・穴水芳喜


【11月12日】入れ替え戦
帝京大8-2明治学院大
(1勝1敗)

 首都大学リーグ入れ替え戦2回戦。初戦を落とした帝京大(2部優勝)にとってはもう後がない明治学院大(1部6位)との一戦。攻守の両面にわたって存在感を発揮したのが今季、2部の最優秀選手に選出された穴水芳喜(4年・啓新高)だ。

 穴水は啓新高時代に2019年春の甲子園に出場。初戦で森敬斗(DeNA)を擁する桐蔭学園高と対戦し、先制適時打を放つなどチームの勝利に貢献。帝京大では2年時から代打で起用されるようになり、昨年秋に捕手のレギュラーポジションをつかんだ。

「ピッチャーが投げやすいように、どこにボールが来ても止められるように昨年はひたすらストップの練習。毎日、1箱ちょっとくらい、コツコツと積み重ねてきました。そのおかげでショートバウンドでも、止められる範囲のボールはきっちりと止められるようになったと感じています」

 ただ、「大学は高校と同じ球速でもキレが違いました」と打撃面ではいい数字を残すことができなかった。そこで、この夏は打撃に力を入れてきたという。「バッティングピッチャーに投げてもらって、まずは真っすぐを。その後は変化球を混ぜてもらい、2箱くらい打ってきました」。

 その成果は如実に表れ、今秋は全9試合で安打を記録。不動の四番としてチームを引っ張り、リーグ2位の打率.447(38打数17安打)を記録。見事に最優秀選手とベストナイン(捕手)を受賞した。

「ベストナインは獲りたいと思っていたのでうれしかったですし、卒業後も社会人で野球を続けるので今後につながってくると思います」

1回戦のリベンジ果たす


 入れ替え戦に向けても「リーグ戦が終わってから1カ月ほど期間が空いたので、週2回、4人1組で12箱のボールを打ち込んできました」と調整に余念がなかった。

 1回戦では満塁から走者を一掃するセンターオーバーの二塁打を放つも、9回には併殺打で最後の打者になってしまい「悔しくて、2回戦ではチームのために打って絶対に勝つと思っていました」と闘志を燃やしていた。

 迎えた2回戦。1対1の同点で迎えた8回表、1点を勝ち越した直後の無死三塁からセンターへ犠牲フライ。9回表には一死一、三塁から三遊間を破るダメ押しの適時打を放った。

 唐澤良一監督は「もともとバッティングはいいものを持っていて、よく練習しますし、勝負強い」と評しており、指揮官の期待に応える2打点だった。

 また、捕手としては先発・宮田率生(2年・県和歌山商高)、2番手・松尾英聖(3年・県和歌山商高)らをリードし、「まずはイニングの先頭打者を抑えるためにファーストストライクを意識して、守りからテンポを出していきました」と相手打線を2失点に抑えた。

 穴水の活躍もあり、終盤、一気に突き放した帝京大が8対2で明学大を下し、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。大一番の3回戦に向け「下級生にいい贈り物を残したい」と話した穴水。1部昇格へ、最後の力を振り絞る。

文&写真=大平明
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