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【高校野球】超高校級の打球でインパクトを残した豊川・モイセエフ 「ミスショットが少ないのは才能」

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滞空時間の長い放物線の一発


豊川高のモイセエフ・ニキータが明治神宮大会準決勝[対星稜高]でソロ本塁打を放った[写真=田中慎一郎]


[明治神宮大会高校の部・準決勝]
11月19日(神宮)
星稜(北信越/石川)15-3豊川(東海/愛知)※5回コール

 今大会注目のスラッガー・豊川高のモイセエフ・ニキータ(2年)が豪快なアーチを放った。三番・中堅。2点を追う1回裏二死走者なしからの右越えソロは、滞空時間の長い放物線だった。

「バットの芯というよりは、詰まり気味。打った瞬間は、思ったよりも飛びました。自分のスイングができた」

 ロシア人の両親を持ち、当初は空手を習ったが、小学校4年から野球の道へ進んだ。学校では日本語、家族とはロシア語を使う。今秋の東海大会では打率.625(16打数10安打)、1本塁打、6打点。全国デビューとなった今大会2回戦(対高知高)では適時二塁打を放ち、犠飛による計2打点と活躍を見せた。

 星稜高との準決勝では、第2打席でも中前打と、持ち味のバットでアピール。試合は5回コールドで敗退したが、超高校級の打球は強烈なインパクトを残した。

 長谷川裕記監督はモイセエフの良さを語る。

「(ボールを)とらえるところ。ミスショットが少ない。才能だと思います」

 ただ、注文も忘れない。

「守備、走塁で至らぬ点があります。打撃に限らず、脚力にも目を向けてやるべきです。(東海大会優勝で)結果に満足するところも見受けられたので、体も高校生の中では大きいほうかもしれませが、(今大会に出場している大学の部の)東京六大学、東都の選手と比べれば細い。この舞台に出てきらからこそ課題が見えてきたと思います」

 入学時は66キロだったが、82キロまで増量。卓越した打撃だけではなく、努力する才能もある。高校卒業後のプロ入りを目指しており、一冬を越えた成長に期待が集まる。

文=岡本朋祐

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