「自分がやらないと、周りもついてこない」

慶大・本間は慶應義塾高に続いて、主将に就任。リーダーシップ旺盛だ[写真=BBM]
慶大の目標は変わらない。
2024年の主将に就任した本間颯太朗(新4年・慶應義塾高)は言う。
「日本一。リーグ優勝。早稲田に勝つ」
昨秋は勝ち点5の完全優勝で4季ぶりのリーグ制覇、明治神宮大会を4年ぶりに制し「秋日本一」。冒頭3つのテーマを遂げた。
廣瀬隆太(
ソフトバンク)がけん引した旧チームの前評判は、決して高くなかった。なぜ、頂点に立つことができたのか。本間は明かす。
「組織力です!!」
200人近い部員が、それぞれの役割に徹し、学生主導で運営。神宮でベンチ入りできるのは25人だが、マネジャー、学生スタッフ、アナリスト、控え部員のモチベーションは、他大学にはないレベルの高さである。
昨秋、6勝無敗の右腕・外丸東眞(新3年・前橋育英高)が残るものの、一番・吉川海斗(日立製作所)、三番・廣瀬、昨秋の三冠王で四番・栗林泰三(JR東日本)、正捕手の五番・
宮崎恭輔(パナソニック)のクリーンアップのほか、勝負強かった
齋藤來音(明治安田生命)が卒業し、戦力ダウンは否めない。
「慶應の戦力は、他校と比べても劣るのは明らか。去年のチームもそう言われていました。ここから強くなると思っている。4年生が主体となって動くのが、慶應の形。昨年の4年生を見本にし、日々、成長していきたい」
昨夏の甲子園で母校・慶應義塾高が107年ぶり2度目の全国制覇。2月にはVメンバーが加入してくる予定だ。「チーム内の競争が激しくなる」と大歓迎。Aチーム、そして、鹿児島キャンプ参加へのサバイバルが始まる。
3年春からレギュラーの本間は昨秋、打率.340、3本塁打、7打点とキャリアハイの数字を残した。10四死球と選球眼の良さも持ち味である。鉄壁の三塁守備もアグレッシブであり、攻守でけん引する。
今春は打率.350、4本塁打が目標。
「自分がやらないと、周りもついてこない。自分が率先し、その上で、求めるところを求めていきたい」。大学卒業後は社会人野球でのプレー継続を希望しており「(社会人)2年で力をつけて、プロを目指したい」と目標も明確。キャプテンナンバーを着ける背番号10が「陸の王者・慶應」の象徴となる。
文=岡本朋祐