前田悠伍から引き継いだ主将の座

大阪桐蔭高はセンバツ5年連続出場。開会式で先頭の主将・宮本はセンバツ出場旗を手に、堂々と入場行進した[写真=牛島寿人]
第96回選抜高校野球大会が3月18日に開幕した。大阪桐蔭高は5年連続出場。昨秋は史上初となる秋の近畿大会3連覇を遂げ、堂々の優勝候補として甲子園に乗り込んできた。
主将・宮本真司郎(3年)は帽子のひさしに、黒マジックで「日本一」と大きく書き込んだ。
「5日前、(捕手の)
高橋直樹(3年)に書いてもらいました。日本一になる。日本一に挑戦する練習を積んできました。どれだけベストを尽くせるかにかかっています」
旧チームの左腕エース・
前田悠伍(
ソフトバンク)から主将の座を引き継いだ。
「Bチームのほうで主将を務めており、あるかな? とは思っていました。実際に決まったときは、身の引き締まる思い。自分は前田さんとは違うタイプ。ただ、桐蔭のキャプテンという立場がある。日本一を目指す志。その空気感を大事にしている」
宮本は昨秋の大阪府大会で背番号15、近畿大会で17、明治神宮大会で18を着けた。今センバツからベンチ登録が2人増の20人。宮本は今大会、背番号20を背負っている。
「技術的な部分だけではなくて、チームに貢献できることがある。ベンチ入りが2人増えて、桐蔭らしく、チーム力を上げていける。個の力ではなく、チーム力で臨んでいきたい」
宮本は三塁ベースコーチを任される。
「大事な役割。1個上の代からもアドバイスを受けてきました。自分の判断一つで、得点につながることもある。勝利に貢献できるようにしたい」
もちろん、選手としてもスタンバイする。控えの三塁手。いつでも西谷浩一監督から呼ばれてもいいように、最善の準備をしていく。
今春の大阪桐蔭高には、一つの変化がある。帽子のデザインを新調した。
「(昨秋までは)角帽だったんですが、今大会から丸帽。理由? 聞いていません。最初は違和感がありましたが……(苦笑)、フレッシュな気持ちです(笑)」
真新しい帽子のひさしに書いた、決意の漢字三文字。大阪桐蔭高は大会5日目の第2試合で北海高(北海道)と対戦する。主将・宮本は身を粉にして、チームを束ね、2年ぶりの「春日本一」へと尽力していく。
文=岡本朋祐