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【大学野球】今春のモットー「歴史は繰り返される」 早大が狙う大学日本一まであと2勝

 

リーグ戦から継続するルーティン


早大・小宮山悟監督は九産大との準々決勝を前にして、一塁ベンチのホワイトボードに今春のモットーを書いた[写真=矢野寿明]


【第73回全日本大学野球選手権大会】
▼6月13日 準々決勝 神宮
早大(東京六)6-2九産大(福岡六)

 大商大との2回戦(東京ドーム)を、延長10回タイブレークで1対0と初戦突破してから中1日。早大は東京六大学リーグ戦で慣れ親しんだ本拠地・神宮球場に戻ってきた。しかも、7季ぶり47度目のリーグ優勝を遂げた慶大2回戦(6月2日)と同じ一塁ベンチ(早慶戦は早大が一塁ベンチ固定)である。

 九産大との準々決勝。一塁ベンチに入った早大・小宮山悟監督は荷物を置くと、すぐにホワイトボードの前に立った。備え付けの赤ペンを持つと「歴史は繰り返される」と綴った。

 今春のモットー。リーグ戦から継続しているルーティンで、勝負師は縁起を担ぐものだ。

 立大との開幕カードを前にしたミーティングで、早大・日野愛郎野球部長はデータを持ち出した。東京六大学リーグ戦で、慶大と明大の2校で4連覇以上したのは過去に3回。この連覇を阻止したのは、いずれも早大だった。歴史は物語っている、と。学生たちは日野部長からのメッセージを励みに、勝ち点5の完全優勝で、天皇杯を奪還してみせた。

 まさしく、歴史は繰り返されたのである。

 9年ぶりの出場で、9年ぶりの日本一を目指す全日本大学選手権でも、話の続きがあった。

 同大会において、早大の試合が東京ドームで組まれたのは前回出場の2015年以来だった。東海大北海道キャンパスとの初戦(2回戦)で、5回コールド勝利(12対0)。早大は同大会で3年ぶり5度目の優勝を決めた。

 07年も同様の展開だった。右腕・斎藤佑樹(元日本ハム)が、当時1年生。前年夏、早実の甲子園優勝投手であり「佑ちゃんフィーバー」が、早大でも引き続き白熱していた時代である。早大は九州国際大との初戦(2回戦)との接戦(2対1)を制し、その勢いのまま33年ぶりの優勝を達成した。

 今大会、大商大との初戦(2回戦)は、東京ドームで9年ぶりの勝利。小宮山監督がホワイトボードに「歴史は繰り返される」と書いた背景は、そこにあったのである。

 今大会の始球式は50年前(1974年)に早大2度目の優勝を遂げた当時の主将・小橋英明氏が務めた。早大は07年に3度目の大学日本一に登り詰め、2012年、15年も頂点に立っており、直近で出場した3大会すべてで優勝。準決勝進出(対東日本国際大)を決め、頂点まであと2勝。小宮山監督は力を込めた。

「とにかく六大学の代表として日本一を取る。あと2つ、何とか勝って、連盟の理事会で、笑顔で報告したいと思います」

 14日は休養日。15日が準決勝、16日が決勝と大会はクライマックスを迎える。

文=岡本朋祐
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