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【大学野球】早大・伊藤樹の数字に隠されている安定感「1年間、負けなしで終わりたい」

 

背番号11を着けるエースの真骨頂


早大・伊藤樹は1失点完投でリーグ戦通算10勝目。試合後は「10」のポーズを作った。左は3安打2打点の主将・印出[写真=矢野寿明]


【10月5日】東京六大学リーグ戦第4週
早大5-1立大(早大1勝)

 雨が降り注ぐ中でも、決して言い訳はしない。相手も同じ条件である。早大・伊藤樹(3年・仙台育英高)は背番号11を着けるエースの真骨頂を見せた。

 立大1回戦で5安打1失点完投勝利。足元がゆるく、ボールが滑る中でも、2四死球にまとめ、6者連続を含む11奪三振と圧倒した。大事な1回戦で先勝。悪コンディションの中でも、影響を感じさせなかったのはなぜか。

「気にし過ぎないことです。雨男なのか? 高校時代、大学を通じて雨男なんです(苦笑)。経験としか言いようがない(苦笑)。気にせず、淡々と修正して投げる」

 それこそ、淡々と語っているが、それが、最も難しいのである。

 伊藤樹の安定感は、数字に隠されている。11奪三振ながら9イニングで121球に抑えた。「三振は特に狙っていなくて、良いボールが良いコースに決まって空振りが取れた。丁寧に投げられている証拠」と語った。

悪コンディションの中でも、影響を感じさせない粘投を見せた[写真=矢野寿明]


 今季初完投は節目のリーグ戦通算10勝目である。

「粘り強く投げられたのは良かった。10勝目がかかった試合だったので、負けたくなかった。1年間、負けなしで終わりたいと思っているので、その中では良い投球ができた」

 今春は3勝無敗(防御率1.49)で7季ぶりのリーグ優勝へと導いた。今季は先発4試合で3勝目(防御率1.50)。すべての登板で試合をしっかりとつくっている。

 伊藤樹が尊敬する早大・小宮山悟監督は東京六大学で通算20勝を挙げ、ドラフト1位でロッテに入団した。伊藤樹も来年、最上位での評価でのドラフト指名を目指している。勝利数はまだ、恩師の半分に到達したに過ぎない。リーグ戦春秋連覇へ、絶対的エースが勝負のシーズン終盤へと入っていく。
週刊ベースボール編集部

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