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【首都大学リポート】強力打線を二番で支える城西大・八木達哉 コンパクトな打撃を意識 したことが奏功

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指揮官も打撃に高評価


城西大の二番・八木は打撃好調だ[写真=大平明]


【10月13日】首都大学一部リーグ戦
筑波大6-0城西大(筑波大2勝1敗)

 首都大学リーグ第6週2日目。城西大は前日、桜美林大3回戦で勝利し、勝ち点3で首位に立った。好調の要因は前週の時点でチーム打率、長打数、盗塁数でリーグトップの成績を残している攻撃陣だが、その強力打線を二番打者として支えているのが八木達哉(4年・世田谷学園高)だ。

 高校時代は四番打者としてプレーしていた八木。城西大ではこの春のオープン戦で結果を残したこともあり、春季リーグからは先発として出場する機会が増えた。ただ、二番を任されたのは人生でも初めてのこと。

「高校時代はたまったランナーを返すことや一発を期待されていたので、最初は戸惑うこともありました。でも、打撃練習のときにマシンを使ってバントの練習もするのですが、まずは構え方などの基本から始めてバントの練習は一番やってきたと思います」

 一番打者に俊足の松川玲央(3年・関西高)がいるのは昨年から変わっていないこともあり、昨年、二番に起用されていた1学年上の先輩の片平吉信(現:エイジェック)からは「『初球を振ってゴロにするよりも、松川が盗塁するのを待ってからバントをして後続に任せろ』と教えていただきました」とアドバイスを受けた。

 村上文敏監督も「二番打者はワンストライクを取られてからのバッティングになることも多いのですが、きちんと機能してくれています。目に見えないところで働いてくれているので、八木のおかげで打線が上手く回っているところがあります」と話している。

 八木自身も「二番は重要なポジションですが、自分が一球でバントを決めた後に中軸がタイムリーを打ってくれるとうれしいですし、『チームのために仕事ができている』という実感があるので楽しい。今はバントに自信を持っています」と胸を張っている。

 今年はチームの副主将を務めており「同学年にはいいヤツが多くて、主将の坂口渉(4年・興譲館高)を中心にまとまっているので、最高のチームです」と笑顔を見せる八木。村上監督も「主将の坂口は背中で引っ張るタイプですが、八木は高校時代も主将をやっていただけあって俯瞰して物事を見ることができますし、モノを言える選手なのでチームのまとめ役になっています。下級生からも信頼されているようです」と人間性も評価している。

 バッティングについては、この夏にフォームを修正して改善に努めてきた。

「自分のバッティングフォームを動画に撮ったものを見て、自分でいろいろと考えたり、コーチの指導を受けたりしてきました。それで、これまではバットを出す前に無駄な動きが多かったので、シンプルにバットを出すようにしたところ確実性が増してきたんです」

チームファーストの意識


 この秋のリーグ戦では第3週の東海大3回戦で2安打3打点の活躍。第4週の桜美林大2回戦では猛打賞を記録するなど、第5週を終えた時点でリーグ3位の打率.345(29打数10安打)をマーク。

 第6週に入って前日の桜美林大3回戦でも2安打を放ち、打点は9まで伸ばしている。

「自分の打率は関係なく、コンパクトに振ることを意識して進塁打などのチームバッティングを心掛けていることが好調の理由だと思います」

 こうして迎えた、筑波大3回戦。勝てば2位以上が決まる一戦だったが、中盤まで2点のビハインド。それでも6回表、八木は一死一、三塁のチャンスで打席に立ったがレフトフライ。結局、この試合はノーヒットに終わり、チームも0対6で敗れた。

「自分で決めようと前のめりになるのではなく、自分のペースで打とうと考えていたのですが……。帰って、また練習します」

 次週は勝ち点3で並ぶ日体大との首位決戦。勝ち点を挙げたチームが優勝となり、逆に勝ち点を落とすと、関東大会出場を逃す可能性もある大事なカードとなったが「先を見るのではなく一試合、一試合、目の前のやるべきことをやっていきたい。自分のやるべきことは、バントをしっかりと決めることです」と八木。個人の成績よりもチームファーストの意識をリーグ最終戦まで貫き通すつもりだ。

文=大平明

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