勝ち点3同士の天王山
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明大は優勝争いの大一番となった早大1回戦を落とした。主将・宗山は2回戦以降の雪辱を誓う。写真は第3打席の二ゴロ[写真=矢野寿明]
【10月19日】東京六大学リーグ戦第6週
早大3-2明大(早大1勝)
6勝1敗1分け、勝ち点3同士で迎えた早大との天王山。明大は2対3で1回戦を落とした。
不動の三番・遊撃の主将・
宗山塁(4年・広陵高)は4打数無安打に終わった。開幕から8試合で6試合連続を含む15安打を量産。第5週終了時点で打率.455とリーグにトップに立っていた。この日は早大のエース右腕・
伊藤樹(3年・仙台育英高)に封じられた。第3打席は一、二塁間へヒットゾーンへの打球だった。しかし、相手の二塁手・梅村
大和(4年・早実)が予め、ポジションを一塁寄りに詰めたシフトで、二ゴロに倒れた。
「春に続いて(1勝1敗で、勝ち点をかけた3回戦で11回完封勝利)、伊藤に気持ち良いピッチングをさせてしまった」
なぜ、攻略できなかったのか。
「コーナーへの投げ分けがうまい投手。打ちにいきたいカウントで、しっかり取ってくる。かわされている。速いボールではありませんが、打者は自分のスイングをさせてくれない」
打撃では結果を残せなかったが、遊撃守備では軽快な動きを披露。3つの併殺プレー(3-6-4A、3-6-3、4-6-3)を完成させ、ボールの持ち替えの速さを披露した。
「打者の走力にもよりますが、(一塁に)残すか残さないかで、大きく変わる。練習のときから意識し、ゲームでも落ち着いてできた」
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背番号10の主将は報道陣の前で、10月24日に控えたドラフト会議についても語った[写真=矢野寿明]
ネット裏で最終確認に訪れた
ヤクルト・
小川淳司GMは「能力の高さは、証明済み。NPBでレギュラーとして出場できる資質を兼ね備えている。1年を戦うフィジカル面、メンタル面は未知数ですが、十分やっていける」と、あらためて高く評価した。
広島が1位指名を公表し、1位入札での競合は確実と言われている。ドラフト会議は10月24日に控える。
「ドラフトのことは考えず、とにかく勝ちたい。4年生最後のリーグ戦。最後の早稲田との戦いに勝ちたい。(春に勝ち点を落としV逸し)一度、負けている相手。2度は負けられない。今日負けたことは切り替え、(2回戦でタイとして)もう一度、リベンジしたい」
初戦を落としてから、一気に盛り返すのが、粘りのメイジの伝統である。明大・田中武宏監督は「明日勝って、もう1回、伊藤君と対戦できるチャンスをつくる」と前を向いた。3回戦の消耗戦に持ち込む。気力、体力は負けない。それが、先輩から学んだ教えである。
文=岡本朋祐