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【大学野球】早稲田に意地を見せるのが慶應の宿命 早慶戦を前に清原正吾の打撃に期待

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早大に快勝して来年につなげる


早慶戦を前に慶大の主将・本間と四番・清原が意気込みを語った[写真=BBM]


 伝統の早慶戦を翌日に控えた11月8日、慶大の堀井哲也監督、主将・本間颯太朗(4年・慶應義塾高)、四番・清原正吾(4年・慶應義塾高)が報道各社の取材に応じた。

「相手はここまで勝ち点4、あと1勝で優勝の早稲田ということで、せっかく2週間空いたのでいろいろな対策を立てて明日に挑む。そういう意味では、やるべきことはやり尽くしました」(堀井監督)

 今春の早慶戦は連敗(1対8、2対12)を喫し、目の前で優勝を決められた。今秋はこれまで3勝7敗1分け、勝ち点1。最終週を前に5位が確定している。

 だからこそ、最後の早慶戦で快勝し来年に向け良い状態でバトンを渡したいと、本間主将も並ならぬ覚悟を抱く。

「(第6週の)法大戦が終わってからの3週間は死ぬ気で取り組んできた自負があります。5位は決まっていますけど、この順位からでもこれだけやれば早稲田に勝てるんだよというのを示せれば、来年の慶應日本一につながってくると思うので、そういった背中を後輩たちに見せたいなと思っています」

「逆にのびのびやってくれれば」


 早大戦での連勝のポイントとして掲げるのは、エース・伊藤樹(3年・仙台育英高)をはじめとした投手陣の攻略だ。

「伊藤君含めて今年の早稲田のピッチャー陣はそれぞれタイプが違うことが強みだと思います。バッティング練習でも、この期間に行ったオープン戦でも、どうやったら早稲田の投手陣から点を取れるかを意識して取り組んできました」(本間主将)

 チーム防御率1.69の盤石な投手陣に対抗する存在として注目されるのは、今秋に2本塁打を放った不動の四番・清原だ。10月24日のドラフト会議では指名漏れ。進路のことは封印し、最後の早慶戦だけに集中している。

 堀井監督は明かす。

「春も、秋も(スケールが)小さくなっていたな、と。リーグ戦ではチームを勝たせたいという思いが強過ぎたので、逆にのびのびやってくれれば勝利に結びつくようなバッティングにつながるんじゃないかと思います」

 持ち味はフルスイング。186cm90kgの潜在能力を存分に発揮することを期待する。

 中、高では野球から離れ、大学で再びバットを握った。3年春に開幕スタメンの座をつかむも、シーズン途中からベンチ外。同秋もユニフォームを着られず、応援席からリーグ優勝、明治神宮大会優勝を見守った。それでも腐らずに4年春から一塁手のレギュラーとなり、ベストナインを初受賞。入学時の目標であった「神宮の舞台に四番で立つ」と「両親にホームランボールをプレゼントする」を2つともかなえてみせた。

 奇跡のような成長ストーリーの締めくくりともなる早慶戦に向け、清原は「最後の最後、後悔なく終われるように、自分のすべてをかけて体がボロボロになる覚悟で、1打席1打席、1球1球かみしめながら打席に入りたい」と力強く決意を語った。

 西武巨人オリックスでNPB通算525本塁打を放った父・和博さんにあこがれ、背番号3を着ける清原。学生野球の集大成。春秋連覇へ「優勝マジック1」の早稲田に意地を見せることが、慶應義塾の宿命である。

文=佐野知香

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