慶大との2試合でわずか2得点

早大は慶大戦で連敗。試合後は両校のエール交換を見守り、中1日で控えた明大との優勝決定戦へ気持ちを高めた[写真=矢野寿明]
【11月10日】東京六大学リーグ戦第9週
慶大2-1早大(慶大2勝)
早大は春秋連覇まで「あと1勝」としながら、慶大との第9週で連敗。8勝3敗2分け、勝ち点4。第8週でリーグ戦全日程を終えていた明大と並び、11月12日の優勝決定戦へともつれ込む展開となった。
なぜ、早大は力を出し切れなかったのか。4カードを終えてチーム打率.310(11試合で63得点)と打撃好調だったが、慶大との2試合は打率.167(60打数10安打)でわずか2得点に終わった。
早大・
小宮山悟監督は敗因を分析した。
「打てないということ。点を取らないといけない。それが、できなかった。一つ勝てば優勝だったが、思うようにいかない。3試合目は開き直っていけるでしょう。断然優位な状況でありながら、思うようにならなかった。その原因を洗い直して、3年生以下は、同じ過ちを繰り返さないようにしたい」
決して言い訳にはしないが、日程面での調整の難しさがあったのは事実である。早大が第6週の明大3回戦で4つ目の勝ち点を奪取したのは10月21日だった。第7、8週は空き週であり、慶大1回戦まで中18日あった。
「ここ(神宮球場)で真剣勝負という感覚が間延びすると、それは思うようにならないだろう、と……。それは、想定内でした。ただ、条件は慶應さんも一緒。すでに順位(5位)が決まっており、来年を見据えてか、思い切って、いろいろなことをやってくる。押し込まれて、押し返せなかったということです」(小宮山監督)
主将・
印出太一(4年・中京大中京高)は慶大1回戦を落とした後「チームとしては大敗したが、集団として、この負けをどうとらえていくか、違ったチーム力が試される。優勝がかかった一戦。立て直して、明日こそ決めたい」と語っていたが、無念の連敗を喫した。
「みっともないです。みっともない試合。これだけの学生、OBの方、早稲田ファンがスタンドに来ていただいている中で、2日間ありながら、優勝を決められなかったところは、キャプテンとして責任を感じている。火曜日に(優勝決定戦が)ありますけど、明治にしっかり勝利して、払拭できればと思います」
早大と明大の優勝決定戦は過去2回
東京六大学リーグにおける優勝決定戦は2010年秋の早大-慶大以来だ。14年前、早大はあと1勝で優勝の早慶戦で連敗し、慶大に並ばれた。中1日。土俵際に追い込まれてから奮起し、天皇杯を手にした(10対5)。
早大と明大の優勝決定戦は、過去2回ある。
▼1938年春 明大4-0早大
▼1948年春 早大5-1明大
76年ぶりの雌雄を決する早明戦である。
「もちろん、勝つに越したことはありませんが、優勝決定戦を経験できることは、彼らにとって財産になる。しっかりした野球をやりたい。泣いても、笑っても最後の試合。特に4年生に関しては、神宮大会に行くためには、何をどうすればいいのか……。自分たちで考えてつかみ取れ、と伝えようと思います」(小宮山監督)
主将・印出は「攻撃の改善、技術的なところも改善して、ベストの状態で明治戦を迎えたい」と、中1日での巻き返しを固く誓った。今秋のリーグ戦では、早大が2勝1分けで勝ち点を挙げている。2回戦は4時間35分に及ぶ大熱戦で、延長12回引き分けだった。優勝決定戦は一発勝負。早大としては「あと1勝」からの3連敗は、是が非でも回避する。
文=岡本朋祐