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田中将大、中島宏之、ビシエド…現役続行希望で「獲得球団が現れるか」

 

退団の道を選んだ田中


今季は1試合のみの登板に終わった田中


 FA権を行使した石川柊太甲斐拓也の動向が注目される中で、他球団で現役続行を模索する選手たちがいる。実績は十分だけに、獲得に乗り出す球団は現れるか。(※11日、石川柊太のロッテ移籍が発表)

 今オフ、最も衝撃的だったのが、楽天田中将大の退団だった。昨オフに行った右肘手術の影響もあり、今季はなかなかコンディションが上がらず1試合登板のみに終わった。プロ18年目で初の未勝利と苦しいシーズンになり、球団側は野球協約の減額制限(年俸1億円超は40パーセント)を超える年俸を提示。田中は悩んだ末に自由契約を申し出た。「オファーをいただいたっていう事実はありますけど、個人的には、実質もう居場所はないんじゃないかと受け止めました」と退団を決断した胸中を報道陣に明かした。
 
 楽天の球団フロントも田中に対し、復活してほしい思いは強かっただろう。互いの思いに行き違いがあったのかもしれない。その後の報道で田中は楽天と再契約の可能性について否定的な考えを示している。コンディションを取り戻し、来季は白星を積み重ねられる自信があるからこそ大きな決断を下した。「とにかく期待をかけてもらって、やりがいを感じるところでやりたいというのが一番です」。日米通算200勝まで残り3勝に迫っているが、大記録到達はゴールではない。他球団から獲得のオファーは届くか。

代打の切り札とはなれず


今季の中島は無安打と結果が出なかった


 中日中島宏之は1年の在籍で名古屋に別れを告げることになった。巨人を退団し、勝負強い打撃を評価されて入団。チームメートの人望は厚い。セットアッパーの岩嵜翔は週刊ベースボールの取材で、中島に対する熱い思いを語っていた。

「元巨人・中島(中島宏之)さんの加入が決まりました。思い出の対戦は2011年の10月1日です。僕は当時ソフトバンクで中島さんは西武。勝ったら優勝が決まる一戦で、一軍に出始めの僕に先発のチャンスが。三番で出場されていた中島さんの威圧感は本当にすごかったです。内角に投げづらいですし、外角も合わせて右方向へ打つイメージばかりが膨らみました(ソフトバンクの勝利で優勝決定)。ピッチャーにとって、すごく嫌な打者です。年下の僕が言うのも変ですが、対戦するどんな投手も中島さんとの対決は嫌だと思いますよ。頼もしいチームメートになるのは、間違いないと思っています」

 代打の切り札として期待されたが、1本の安打がなかなか出ない。4月13日の阪神戦(バンテリン)で右手首に死球を受け、「右第5中手骨骨膜損傷」で戦線離脱したことが痛手だった。その後、一軍に再昇格したが、15試合で13打数無安打と結果を残せず。3年連続最下位に低迷したチームは若返りにかじを切っている。来季の戦力構想から外れ、他球団でのプレーを模索することになった。

 西武で攻守の要として活躍し、2009年に最多安打、08、09年に最高出塁率のタイトルを獲得。アメリカ球界に挑戦し、帰国後はオリックス、巨人、中日と渡り歩いた。通算1928安打と大記録達成にあと72本に迫っている。42歳のベテランはもう一花咲かせられるか。

6月中旬以降、二軍暮らし


ビシエドも9年間在籍した中日を去ることになった


 中日の功労者も退団が決まった。ダヤン・ビシエドは9年間在籍し、958試合出場で打率.287、139本塁打、549打点をマーク。18年に首位打者、最多安打のタイトルを獲得するなど中軸で打線を牽引してきたが、今季は出場機会が激減。自己最少の15試合出場で、打率.209、1本塁打、2打点に終わった。ウエスタン・リーグで打率.300、8本塁打、31打点と好成績を残したが、6月中旬以降に一軍から声が掛からず。退団が決まり、NPBでの現役続行を熱望している。

 中日ファンからこれほど愛された助っ人外国人はいないだろう。ファン感謝デーに参加し、三輪車を一生懸命こぐなど大ハッスルしたことも。「ファンと近くで触れ合えて、『ずっと名古屋にいて!』と言ってもらえてうれしいよ」と笑顔を浮かべていた。球団納会に、もスーツ姿で参加し、球団幹部や球団職員たちとコミュニケーションを積極的に取っていた。「こんな外国人選手はいませんよ」。球団関係者たちが感激していた。

 年俸の大幅ダウンは避けられないが、日本人登録でプレーが可能なため、貧打が深刻な球団は獲得を検討する価値がある。来年もNPBの球団でプレーする姿をファンは見たい。

写真=BBM
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