週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

過小評価されている? 中日を支える「縁の下の力持ち」は

  0

来日3年目を迎える助っ人


さまざまなポジションを守るなど、チームに欠かせない存在のカリステ


 球団史上初の3年連続最下位からの巻き返しを狙う中日。今年もチームに不可欠な存在が、来日3年目を迎えたオルランド・カリステだ。

「チームが低迷しているのでスポットライトが当たりにくいですが、カリステはもっと評価されていい選手だと思います。チーム事情に合わせて内外野を守り、打撃も日本に来て成長している。他球団の首脳陣に聞いても評価が高い選手ですし、今年のキーマンになるでしょう」(スポーツ紙記者)

 来日1年目の23年は47試合出場で打率.233、5本塁打、13打点。数字だけを見ると助っ人外国人として物足りなく感じるが、9月に月間5本塁打を放つなど日本野球に適応する姿を見せたことで契約延長を勝ち取った。オフには母国・ドミニカ共和国のウインターリーグに参戦。野球に向き合うストイックな姿勢で、最善の準備を尽くす姿勢は常に変わらない・

 昨年は開幕ベンチスタートが多かったが、「六番・左翼」でスタメン出場した4月16日のヤクルト戦(バンテリン)で猛打賞をマーク。高橋周平がこの試合で負傷交代すると三塁に回った。「仲間のケガというのは望んでいないもの。チームとして残念なこと。自分がチームに必要なこと、自分の仕事をやっていくだけだよ」と試合後に複雑な表情を浮かべていた。

 戦線離脱した仲間の思いも背負って戦う。翌17日の同戦に「六番・三塁」でスタメン起用されると、0対0の6回二死二、三塁で先制の2点左前適時打を放ち、決勝点に。その後も三塁、一塁、左翼、中堅とさまざまなポジションを守った。常に全力プレーでチームの士気を上げる姿が、ファンにも頼もしく映っただろう。114試合出場で打率.261、7本塁打、36打点。確実性が増し、勝負強さも目立った。

4球団でプレーしたオーティズ


オリックスソフトバンクロッテ西武[写真]でプレーしたオーティズ


 助っ人外国人は打力が持ち味の選手が多いが、過去にもユーテリティープレーヤーとして名をはせた選手たちがいる。内外野を守ったホセ・オーティズはオリックス、ロッテ、ソフトバンク、西武とパリーグの4球団で計9年間プレー。守備は来日当初から評価が高かったわけではない。オリックスで2003年は二塁と三塁を守り計24失策、一塁に専念した翌04年は18失策と拙守が目立ったがその後に猛練習し、07年のシーズン途中に入団したロッテでは好守で再三チームを救った。

 打撃は日本で経験を重ねてスタイルが変化した。来日1年目の03年はオリックスで打率.252、33本塁打をマーク。長距離砲のイメージだったが、その後は4年連続打率2割8分以上マーク。シュアな打撃で広角に安打を放った。

リーダーシップを発揮した助っ人


 楽天巨人、ロッテでプレーしたルイス・クルーズも巧みなグラブさばきが印象的な選手だった。内野は全ポジションを守り、15年に二塁でゴールデン・グラブ賞を受賞。華やかな守備と豪快な打撃だけでなく、若手に積極的に声を掛けるなどリーダーシップにも定評があった。クルーズは週刊ベースボールの取材でこう語っている。

「プレッシャーの中でプレーすることは本当に難しいよ。何万人という大観衆の目が自分に集中するときに、プレッシャーを感じずにプレーをしろといっても、できることではない。特に若い選手はそうだよね。その中で少しでも和らげてあげることができればと思う」

「オレも若いころはそうだった。緊張して、どうしても委縮してしまっているようなところがあった。なかなか自分らしさを出せずに悩んだこともあった。そんなときにメジャーの偉大な先輩たちに声を掛けてもらったことは今でも忘れない。宝物なんだ」

 オーティズ、クルーズは日本野球への適応力や人間性を評価され、複数の球団に必要とされた。カリステも謙虚で真面目な人柄でチームメートに尊敬されている。ただ、複数の球団を渡り歩くのではなく、1年でも長く中日でプレーしてほしいと願うファンは多いだろう。今年も全力プレーでダイヤモンドを疾走する。

写真=BBM

この記事はいかがでしたか?

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント 0

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング