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【大学野球】法友野球倶楽部の総会が開催 法大新主将・松下歩叶がリーグ優勝、日本一へ決意

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小早川毅彦氏がOB会長として再任


2025年で2期目を迎える法友野球倶楽部・小早川会長[左]は、新主将・松下[右]を激励した[写真=BBM]


 法友野球倶楽部(法政大学野球部OB会)の総会が1月11日、同大学の市ヶ谷キャンパス内で行われた。この日、OB会長として再任され、2期目(1期2年)を迎える小早川毅彦氏(元広島ほか)は「1期2年を務めさせていただき、皆様のお力添えをいただき、私なりに一生懸命やったつもりです。2年前の就任時に3つの理念(野球部の支援、女性の参画、地方活性化)を掲げましたが、引き続きご理解をいただき、ご支援をよろしくお願いいたします」とあいさつした。

 この日は2025年の新幹部が発表された。新主将の松下歩叶(4年・桐蔭学園高)としては、絶好のタイミングだった。総会後の新年会の冒頭で、小早川会長にあいさつしている。

「小早川会長をはじめ、諸先輩方から激励の言葉をいただき、身の引き締まる思いです。結果で、期待に応えられるようにしたい。主将として、勝てるチーム、負けないチームを目指す。そして、何より、応援されるチームを作っていきたいと思っています」

 松下の言う「期待」に沿う内容とは。

「チームとしては、リーグ優勝、日本一。個人としては、卒業後の進路がかかった年なので、ドラフト1位で行けるように。まずは、チームを勝利へと導けるようにしたい。毎シーズン、掲げている数字なんですが『打率3割、3本塁打、10打点』を最低ラインとして、そこから積み上げていきたいと思います」

 2年秋から3年秋まで、3季連続でベストナイン受賞(二塁手1回、三塁手2回)。昨夏は侍ジャパン大学代表でプレー。2つの国際大会で優勝に貢献すると、3年秋は打率.352、5本塁打、13打点とキャリアハイの数字を残した。通算8本塁打、31打点。一発を秘めた右の大砲として、NPBスカウトも注目する。

 ライバルがいる。松下の元チームメートで中学(静岡裾野シニア)、高校(桐蔭学園高)で主将を務めた木本圭一が、明大でもキャプテンを務める。年末年始は各方面のあいさつ回りで2人は4日間、一緒に行動した仲である。

「木本は意識してきた存在なので、切磋琢磨していきたい。いよいよ1年が始まるんだな、と。気を引き締めていきたいと思います」

 副将の藤森粋七丞投手(4年・青森山田高)と内山陽斗内野手(4年・天理高)は「強い法政を取り戻す」と口をそろえ、2020年春を最後に遠ざかるV奪還を固く誓った。主務となった藤森創立マネジャー(4年・五所川原高)は「変革の年。大島(大島公一)監督と高村(高村祐)助監督を胴上げできるように努力していきたい」と、裏方としてチームを全力でマネジメントしていくことを約束した。

闘志を内に秘める大島監督


往年の名選手たちが現役学生にエールを送った。左から山中正竹氏、江本孟紀氏、山本浩二氏、田淵幸一氏[写真=BBM]


 この日は田淵幸一氏、山本浩二氏、江本孟紀氏とプロ野球OBのレジェンドも出席。山本氏は「優勝から遠ざかって5年ですか……。私たち卒業生に喜びを味わわせてください」とエールを送った。法友野球倶楽部の前会長で、全日本野球協会・山中正竹会長は「『野球は謙虚であれ』という時代もありましたが、大いに誇っていただきたい。(スポーツを通じて人間を形成する。多くの学びがある)野球は素晴らしいんです。ただ、誇る上では、そのベースには、人間性を持っていないといけない。法政大学野球部を全員で、応援し続けていきたい」と、今年で創設100年を控える東京六大学リーグ戦で戦う意義を語った。

就任2年目の法大・大島監督は新幹部を前にして、今春への抱負を述べた。左から大島監督、松下主将、藤森副将、内山副将、藤森主務[写真=BBM]


 関係者、先輩の熱きメッセージを受けた就任2年目の大島監督は「3年生(新4年)以下は経験の少ない選手ばかり。現在地という意味では、危機感を持っている。チーム一丸となって一歩一歩、前進していきたい」と、あえて「優勝」は口にせず、闘志を内に秘めた。

 神宮球場において、野球部と応援団は運命共同体だ。野球部とともに歩んできた法政大学応援団は2025年、100周年を迎える。新年会の最後は応援団OBによる校歌斉唱、エールが披露され、中締めとなった。多くの関係者が「復活V」を待ち望んでいる。しかし、その大前提として、学生野球の模範としての行動が求められる。あくまでも目標は勝つことだが、活動の目的は人間形成であることを忘れてはならない。それが、新主将・松下が訴えている「応援されるチーム」となるのだ。

文=岡本朋祐

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