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リーグ連覇狙う巨人のキーマン 熾烈な先発ローテ争いで「ドラ1右腕」に期待が

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2年目の飛躍を目指す


2年目を迎えた西舘。飛躍のシーズンとすることができるか


 手応えと悔しさを胸に秘め、今季に挑む右腕がプロ2年目の西舘勇陽だ。2月1日からスタートする春季キャンプのメンバーが発表され、一軍スタートが決定。チーム内の競争はすでに始まっている。目指すは先発ローテーション入りだ。

 昨年は春先に輝きを見せたが、プロの厳しさを味わった。セットアッパーで開幕一軍入りすると、新人投手としては初の開幕10試合連続ホールドをマーク。代名詞のクイック投法で球威十分の直球、カットボールを主体にした投球で抑え込んだ。5月も8試合登板で無失点に抑えたが、シーズンは長い。疲れが見え始めた6月に球の精度が落ちると、痛打を浴びる場面が目立つようになった。

 6月30日に登録抹消されると、チーム事情により先発で調整することに。8月23日の中日戦(バンテリン)で先発登板したが、5回6安打4失点KO。悔しい結果に終わり、シーズン終盤は救援に再び戻った。28試合登板で1勝3敗20ホールド、防御率3.82。4年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、夏場以降のパフォーマンスを考えると悔しさのほうが大きかっただろう。飽くなき向上心で上を目指す。オフはプエルトリコで開催されたウインターリーグに参加。異国の地で1カ月半以上、武者修行した。

 巨人の先発ローテーションは盤石とは言えない。昨年15勝で最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使し、オリオールズに移籍。先発の大黒柱が抜けたことは痛手だ。一方で、若手にとっては頭角を現すチャンスだ。戸郷翔征山崎伊織フォスター・グリフィンの3本柱に加え、井上温大も当確に近い。残りの2枠を横川凱赤星優志堀田賢慎楽天を退団して加入した日米通算197勝の右腕・田中将大らと争う。

大卒2年目に新人王のサブマリン


ソフトバンク時代の2019年、新人王に輝いた高橋


 大卒2年目で大きく飛躍した投手がチームメートにいる。巨人に移籍2年目のサブマリン右腕・高橋礼だ。ソフトバンクに入団した新人の18年は12試合登板で未勝利に終わったが、翌19年は23試合登板で12勝6敗、防御率3.34とブレーク。巨人と対戦した日本シリーズでは第2戦に先発登板し、7回無失点の快投でシリーズ初先発初勝利を記録した。日本一の原動力となり、新人王を受賞。高橋礼は同年オフに週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。

「最初は(先発)6番手だったんですけど、少しずつ野手の方の援護もあったおかげで勝ち星が積み重なっていき、順番的にも優先的に投げさせてもらうようになっていきました。シーズン終盤には、西武との首位攻防戦の大事なカード(9月11日、メットライフ)でも投げさせてもらって。これらの経験が自信になりましたし、かなり前向きに野球が楽しめている感じはありました」

「自分に対してポジティブに考えられる要素を多くマウンドに持っていければ強みを出せるのかなと思うんですけど、今日はここが悪いなというようなマイナスな面を持っていってしまうと、それがそのまま投球に出てしまうんですよね。どんなときでもポジティブな状態でマウンドに上がっていけるように、そこが大事になってきます。シーズン最後の3、4試合はポジティブに、こうすれば大丈夫という自信を持って投げられていました。今後に向けても、日ごろのブルペン、キャッチボールからポジティブな部分を見つけていければ楽かなと思います」

 昨年は同期入団の武内夏暉(西武)が21試合登板で10勝6敗、防御率2.17と最下位に低迷するチーム状況で奮闘。新人王を受賞した。西舘は中大、武内は国学院大の主戦投手として東都大学リーグでしのぎを削っている。リーグは違うがその活躍は刺激になっただろう。2年目の今季は大きく飛躍できるか。先発ローテーションに定着して白星を重ねる活躍を見せれば、リーグ連覇の可能性が高まることは間違いない。

写真=BBM

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