公立校のエースとして残した強烈なインパクト

143キロ右腕・槙野はコントロールに絶対の自信を持っている[写真=BBM]
神戸市立須磨翔風高校出身。法大に入学する143キロ右腕・槙野遥斗は2つの上の兄・時斗さん(中大3年)の影響で同校に進んだ。2年秋は県2位で近畿大会に出場し、智弁学園高との1回戦を突破し8強。センバツ甲子園には届かなかったが、公立校のエースが強烈なインパクトを残した。3年春も県準優勝へと導いたが、同夏は県5回戦で敗退した。
2024年の兵庫は好投手がそろっていた。報徳学園高は今朝丸裕喜(
阪神)と間木歩(国学院大)の両輪が君臨。神戸弘陵高・村上泰斗は
ソフトバンクから1位指名、神戸国際大付高・津嘉山憲志郎はソフトバンク育成7位指名を受けた。槙野もNPBスカウトから注目されていたが、なぜ、大学進学を選んだか。
「村上、津嘉山とは3年夏の引退後、一緒に練習、トレーニングをしたこともある仲間です。4年後は、彼らのいる世界に行きたい。法政は体験練習で来た際、環境と指導者に惹かれるものがありました。4年時には東京六大学で注目される投手になって、ドラフト上位で指名されるように努力していきたいです」
須磨翔風高には、あこがれの先輩がいる。阪神の先発の柱に成長した右腕・
才木浩人だ。二軍の本拠地・鳴尾浜での行われた法大とのプロアマ交流試合を見に行ったこともある。
「マウンドでのたたずまい。堂々としている。才木さんの一軍での登板試合は、すべてチェックしています。参考にできる部分は、取り入れています。同じ高校でプレーした先輩に負けたくない気持ちもあります」
ビジョンが明確である。
「1年目はフレッシュトーナメント(2年生以下でチーム編成)もあるので、まずは、そこで登板したいです。リーグ戦は2年生ぐらいからでしょうか……。自分は先発完投にこだわっているので、(将来的には)リーグでの最多勝利、投手としてのタイトルを取りたい。投げた試合は負けない。そこを目指します」
技術的な課題も、はっきりしている。
「もっと、強いボールを投げないと、上のレベルでは通用しない。この4年間で、150キロは投げられるように。プロには『速球派投手』として行きたい」
制球力には自信がある。スライダーは三振を狙う際と、カウントを整える2種類。「曲がりの幅は操作できる」と手先が器用であり、カーブ、チェンジアップも巧みに投げ分ける。ゲームメークに優れたタイプであり、基礎体力がつけば、早期デビューも期待できる。
文=岡本朋祐