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坂本勇人に強力なライバル? 巨人の新戦力に他球団から「福留孝介に似ている」指摘が

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十分にあるチャンス


今季、ドラフト3位で巨人に入団した荒巻


 若手の台頭が待ち望まれる巨人で、強打者としての評価を高めているのがドラフト3位で入団した荒巻悠だ。

 球場がどよめいた。2月16日の練習試合・韓国/サムスン戦(那覇)に「六番・一塁」で先発出場すると、3回一死で外角の変化球を力強く振り抜き、左中間フェンスにワンバウンドで当たる二塁打。打ち気にはやることなく、2四球を選ぶなど選球眼の良さもアピールした。他球団の首脳陣は「映像で確認しました。逆方向に打球が飛ばせるし、長打力だけでなく打撃に柔らかさがある。ボール球をきっちり見極めていたし、変化球への対応力が高そうな見送り方をしていたのが印象的です。打者のタイプとしては、福留孝介さんと重なりますね。スイングスピードが速くコンタクト能力に自信があるタイプでは」と分析する。

 荒巻が守るポジションは一塁と三塁。チーム構想では三塁が坂本勇人、一塁が岡本和真か新外国人のトレイ・キャベッジが守る公算が高いが、チャンスは十分にある。坂本が球界を代表する選手であることは異論がないが、昨年は打率.238、7本塁打と不本意な成績に。三塁で自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞したが、打撃で結果を残さなければスタメンで起用し続けることが厳しくなる。荒巻は三塁の守備が決して下手ではない。打撃でアピールすれば、首脳陣の信頼が高まる。一塁もキャベッジの状態が上がらなければ、荒巻を一塁、岡本を左翼で起用する選択肢が考えられる。道のりは険しいが、今後の実戦で結果を残し続ければ、明るい未来が切り拓かれるだろう。

第一線で24年間プレーした秘訣


2002年、自身初の首位打者に輝いた福留


 昨年は四番・岡本和真の前後を固めるクリーンアップが固まらなかった。荒巻が左の強打者として大成すれば有力候補になる。お手本になる打撃スタイルが、現役時代に中日阪神、カブスの中心選手として活躍した福留氏だ。プロ4年目の2002年に打率.343で自身初の首位打者を獲得して松井秀喜(巨人)の三冠王を阻止し、内野から外野転向1年目でゴールデン・グラブ賞を受賞した。06年にも打率.351で2度目のタイトルを獲得。ミート能力、長打力だけでなく選球眼の良さに定評があり、最高出塁率に3度輝いている。45歳までプレーし、日米通算2450安打、327本塁打、520二塁打をマークした。

 福留氏はプロの第一線で24年間プレーした秘訣を、週刊ベースボールのインタビューで以下のように分析している。

「練習をする体力があったということじゃないですか。練習することに関しては痛い、かゆいを言った覚えはなかったですから。まずは体、土台がしっかりしていないと技術も身に着かないし、気持ちもついてこないと思います」

「う~ん。あまり振り返ったことがないんですよね。ただ二塁打は誇れるかな。ずっとあこがれで目標だった立浪さんの日本記録(487)を日米通算ですけど抜いているので。それは自分の中では誇れる数字。それに僕はホームランバッターではないので、これだけ二塁打を打てたというのも自分らしくて」

序列をひっくり返せるか


 今年の新人王候補として、金丸夢斗(中日)、佐々木泰(広島)、中村優斗(ヤクルト)など即戦力の大卒ドラフト1位の注目度が高いが、プロに入れば指名順位は関係なく実力の世界だ。

 大卒のドラフト3位で巨人に入団した清水隆行氏は新人の96年に外野の定位置をつかみ、107試合出場で打率.293、11本塁打、38打点をマーク。その後も打率3割以上を6度記録し、02年に最多安打(191本)のタイトルを獲得するなど、中距離打者のチャンスメーカーとして活躍した。荒巻も生粋のホームランアーチストでなく、力強い打球で外野の間を射抜く打撃スタイルがプロで生きる道になる。

 チーム内の序列をひっくり返せるか。同じ左打者で若手の秋広優人も強力なライバルになる。チーム力を底上げするためにも、攻守でアピールし続ける。

写真=BBM

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