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今季中に名球界入りも…鮮やかに復活した「巨人打線の核」は

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厳しい自己採点


昨年、巨人4年ぶりのリーグ制覇に貢献した丸


 巨人は昨年に4年ぶりのリーグ優勝に輝いたが、期待以上の活躍を見せたのが自身3度目のMVPを受賞した35歳右腕・菅野智之だ。2023年は4勝に終わり力の衰えが懸念されたが、昨年は1年間通じて先発ローテーションで抜群の安定感を見せ、15勝3敗、防御率1.67をマーク。最多勝、最高勝率(.833)に輝いた。復活を印象付けたベテランは菅野だけではない。野手でMVP級の活躍を見せたのが、同学年の丸佳浩だ。

 23年はたび重なる故障と打撃不振で打率.244、18本塁打、47打点と不本意な結果に。12年以来11年ぶりに規定打席に到達できなかった。5年契約が切れ、単年契約を結んだ昨年は勝負の年だった。実績だけで外野のレギュラーが保証される世界ではない。結果で己の力を証明しなければいけない中、丸は鮮やかに復活した。4月下旬以降に一番に固定されてチャンスメーカーとして稼働し、138試合出場で打率.278、14本塁打、45打点をマーク。出塁率.360は不動の四番・岡本和真に次ぐチーム2位の数字だった。外野の全ポジションを守り、守備での貢献度も高い。走塁でも8盗塁をマークし、次の塁を狙う積極的な姿勢を見せた。だが、丸の自己採点は厳しい。

 4000万円増の推定年俸3億2000万円で契約更改した際、「(球団側から)一番バッターとして、チームを引っ張ってもらって非常に助かった、という言葉もいただいた。でも、自分の中の評価はそこまで高くない」と語り、「自分がレギュラーとして出続けられるとか、一つも思っていない。浅野翔吾選手、佐々木俊輔選手、萩尾匡也選手と、生きのいい外野手はたくさん出てきていますから、負けないように頑張りたい」と表情を引き締めていた。

大記録へ険しい道のり


 昨季は146安打を記録し、通算1842安打。残り158本に迫った通算2000安打の大記録達成を今季中に達成できる可能性が出てきた。節目の数字への道は険しい。高橋由伸(元巨人)、谷佳知(元オリックス、巨人)、松永浩美(元阪急、阪神、ダイエー)などかつての天才打者たちは届かなかった。スタメンから外れると、安打を積み重ねるのが厳しくなる。通算1928安打と残り72本まで迫った中島宏之は昨年中日に移籍したが13打数無安打と1本の安打が遠く、1年限りで戦力構想外に。NPBでのプレーを望んでいるが、まだ去就が決まっていない。

レジェンドが語る2000安打


NPB最多の3085安打を積み重ねた張本


 NPB最多の通算3085安打を記録した張本勲氏は、23年に大島洋平(中日)が通算2000安打を達成した際、週刊ベースボールのコラムで以下のように語っている。

「長期離脱もなく、これはやはり高いバッティング技術もさることながら、しっかりと自己管理できた証しでもあるだろう。1年や2年なら簡単だが、ずっと継続して結果を残せるかどうかが、レギュラーと控えの違いなのだ。昔は『3年続けて一人前』と口酸っぱく言われたものだが、今は1年だけで一人前とカン違いしている選手が多く、年俸もグンと跳ね上がる時代だ。大島のように毎年コンスタントな成績を残し続けてこそ一人前であり、本当のプロだと言える」

「2000安打を達成した打者に共通して言えることは、徹底した自己管理とともに野球への情熱、飽くなき向上心を持っていたことだと思う。現状維持にとどまらず、常にうまくなりたい、もっと打ちたいと、そういった気持ちを強く持ち、追い求めた結果の2000安打だ」

「しかしあらためて思うのは、来年(2024年)で90年を迎える日本のプロ野球において、2000安打達成者が大島で55人目というのは多いのか少ないのかということだ。私の考えでは少ないような気がして寂しい気持ちがある。シーズン150安打を続けても13年では届かないのだから、確かに難しい記録だが、もっといてもおかしくなかった気がする。そこはやはり先ほど書いたように打撃の技術だけではない部分もあるのだろう。2000安打がすべてではないが、打者はもっともっと精進し、これからどんどん2000安打達成者が出て来ることを願っている」

 巨人の外野陣の陣容を見ると、丸はエリエ・ヘルナンデスとともにシーズンを通じてコンスタントに活躍してもらわなければ困る存在だ。リーグ連覇に向け、今年もフォア・ザ・チームの精神でチームの核になる。

写真=BBM

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