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第98回選抜高校野球大会

【センバツ】横浜高の2年生左腕・小林鉄三郎が甲子園で投じた23球に込めた「思い」とは

 

先輩・織田翔希を尊敬


背番号「10」を着ける横浜高の左腕・小林は神村学園高との1回戦で0対2の8回表二死から救援。無安打無失点の力投を見せた[写真=三野良介]


[1回戦]神村学園(鹿児島)2-0横浜(神奈川)

 次につながる23球だった。横浜高の背番号「10」を着けた左腕・小林鉄三郎(2年)が2点ビハインドの8回表二死から先発のエース右腕・織田翔希(3年)をリリーフ。先頭打者に四球を与えるも、後続を抑え、9回表も打者3人を完璧に封じている。堂々の「甲子園デビュー」だった。8強に進出した昨夏、1年生ながら背番号「20」で甲子園の土を踏むも、準々決勝までの4試合で登板機会はなかった。

「最初は甲子園の独特な雰囲気にのまれてしまい、思うようなピッチングができませんでしたが、9回はいつもの自分を出すことができました。短いイニングですが、課題が見つかった。細かいところを修正して、夏につながるような練習をしていきたいと思います」

 2年生左腕が反撃ムードをつくったが、最後まで打線が機能せず、0対2のまま初戦敗退。史上4校目の春連覇が消滅した。この日は前売りでチケット完売。甲子園には3万5000人の大観衆が熱戦を見つめた。小林はエース・織田の偉大さをあらためて感じた。

「試合前の心構えとして、浮つくことなく、焦らず、自分のペースを守り続けていた。この甲子園の先発を前にしても、練習どおりでした。エースとして信頼される理由が分かります。一緒に野球をやっている中でも、学べることがたくさんあり、成長ができています」

 織田は19年ぶり4度目の優勝の原動力となった昨春センバツ、準々決勝に進出した昨夏の甲子園では背番号「10」を着けた。エース番号「1」を着けた1学年上の左腕・奥村頼人(ロッテ)の背中を見て育った。現チームでは背番号「10」の小林が、織田から横浜高のエース魂を学んでいる。小林が憧れの先輩と伝統の横浜高のユニフォームを着てプレーできるのは、今夏までである。後輩は決意を語る。

「織田さんを負けさせるわけにはいきません。自分がしっかり投げ、甲子園に戻ってきます」

 小林は中学時代に在籍した中本牧シニアでは中学3年時、春の全国選抜大会優勝、夏の日本選手権準優勝、ジャイアンツカップ優勝。多くの実績を引っ提げて名門・横浜高に入学してきた。早くから「スーパー1年生」として騒がれ、順調にステップを踏んでいる。

 最速143キロ。セットポジションからキレの良いボールを投げ込み、変化球はカーブとチェンジアップ。あくまでも真っすぐが投球の軸であり、小手先の勝負はしない。将来性高いサウスポーは、お世話になった先輩・織田のため、全力で腕を振っていく覚悟だ。

 センバツでの23球を必ず、次につなげる。

取材・文=岡本朋祐
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