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【首都大学リポート】アンダースローの武蔵大・川口翔太朗がエース番号「18」で力投

 

試行錯誤の末に得た新フォーム


7回1失点と力投も報われず、チームは敗退したが、次へとつながる投球だった[写真=BBM]


4月18日
帝京大3-2武蔵大(1勝1敗)

 首都大学野球2026春季リーグ・第3週1日目。第1週に悪天候のため順延となっていた2試合が行われ、武蔵大は帝京大と対戦(2回戦)。先発のマウンドに立ったのは背番号「18」を付けたアンダースローの川口翔太朗(4年・上尾高)だった。

 上尾高時代はサイドスロー。下手投げを始めたのは高校3年の夏が終わってからだった。

「同じ埼玉の山村学園高にいた山田翼も武蔵大へ行くと聞いて『山田のほうがスピードもあるし、このままでは試合に出られない』と感じて、もう一段、リリースポイントを下げて投げてみようと思いました」

 フォームを変えた当初は「球が遅くてコントロールも悪かったんです」とうまくいかなかったという。

「アンダースローで投げているプロの投手の動画はほとんど見ましたが、どの投げ方も自分には合っていませんでした。指導者にもアンダースローを教えられる方はいないので、独学でやるしかありませんでした」

 とにかく投げ続けることで感覚をつかんでいった。「ただ、自分で考えて、試行錯誤していくことが楽しかったんです。そうやってとにかく毎日ボールを投げていて、大学に入ってからも毎日、バッティングピッチャーをやっていました。すると、いつの間にかボールに力が出て、ピッチングがまとまってきたんです」

 昨春はリーグ戦に初出場し、初白星も挙げた。また、秋にはセットポジションからノーワインドアップにフォームを変えた。

「足を上げてからクイックで投げたり、二段モーション気味に投げたり。タイミングを変えられるので、バッターも打ちづらそうにしていると感じています」

 今春はチームのエース番号である背番号「18」を背負う。川口は「これまで通りに投げて、試合に勝てればいい」とあくまでも自然体だが期待に応えるべく、この冬は様々な取り組みに励んできた。

「ウエイト・トレーニングでは下半身を中心に鍛えて、足りなかった基礎の部分を底上げしてきました。そして、長いイニングを投げたいので投げ込みもしてきたのですが、自分がどのくらいでバテるのかを知りたかったので特に球数を決めることなく、限界が来るまで投げていました」

 アンダースローだけに体の柔軟性には気を使っている。

「ストレッチでは股関節とお尻のケアを大事にしています。ここが固くなってくると腕が高くなって、下からボールが出てこなくなってしまうので意識しています」

痛恨の1球に反省


 今春は開幕戦が雨天により中止となったため、第2週の東海大1回戦で初登板。先発として5回を投げて3失点(自責点1)。そして、2試合目の先発となったこの日の帝京大2回戦は序盤から快調な投球。変化球で打者を泳がせる場面も目立ち、6回まで3安打無失点の好投だった。

「ブルペンではストレートがもう一つだったので、変化球を多めにしたのですが上手くかわすことができました」

 変化球はカーブ、スライダー、シンカー、ツーシームを操る。なかでも自信を持っているのはスライダーで「斜め上へ浮き上がっていくイメージで投げています」とアンダースローの特性をいかしている。しかし、1点リードで迎えた7回にスローカーブで一発を浴びて同点。試合はそのまま延長タイブレークとなり、2対3で帝京大に敗れた。

「ホームランを打たれてはいけないところで打たれてしまいました。あの一発がなければ勝てていたのでもったいなかった」と反省を口にした。7回1失点で降板し「疲れたから打たれたという感覚ではないので、スタミナには問題ないと思います」と振り返った。
山口亮監督も「速い球はないのですが、打たせて取るために考えて投げていて、今日はその術中にはめていました。マジメな性格で、その通りに丁寧な投球をしてくれています」と評価は変わっていない。

 チームは1勝3敗となったが「リーグ優勝して神宮球場で戦うのが目標。これから勝ち点を4つ取れば、まだチャンスはある」と下を向くことはない。個人としては「昨秋は防御率が2点台であまりよくなかったので、今季は防御率1位になりたいです」と目標を掲げている。地面スレスレからリリースする本格的なアンダースロー。その個性を発揮して、リーグトップの座を目指す。

取材・文=大平明
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