リーグトップの出塁率

今季は開幕から打撃が好調な大山
12球団トップクラスの破壊力を持っているのが、
阪神の和製クリーンアップだ。三番の
森下翔太がリーグトップの7本塁打をマーク。昨年に本塁打と打点の2冠に輝いた四番の
佐藤輝明も打率.378、5本塁打、22打点と好調をキープしている。森下、佐藤と勝負せざるを得ないのは、五番に
大山悠輔がいるからだ。打率.324、3本塁打、13打点で、出塁率.446はリーグトップの数字だ。得点圏打率.364と勝負強い打撃も光る。
開幕当初は打率1割台だったが、直近の10試合で34打数15安打、打率.441とバットが振れている。4月22日の
DeNA戦(横浜)で、2回に
竹田祐のカーブを左翼席に運ぶ2号ソロを放つと、3回も二死満塁の好機で竹田が初球に投じた147キロを逆方向の右翼へ満塁弾。森下が三飛、佐藤が左飛に倒れて好機が潰えかけた後のアーチは大きな価値がある。試合は敗れたため笑顔がなかったが、4年ぶりの2打席連続弾で好調ぶりを示した。
他球団のスコアラーは「選球眼が良いのでボール球に手を出さない。逆方向にも長打を飛ばしますし、神経を使います。森下、佐藤とは違う怖さがある強打者です」と警戒を口にする。大山の強みは打つだけではない。前述した22日のDeNA戦は2打席連続アーチを放った後に2打席連続四球で出塁している。強引にボール球を振ることなく、きっちり見極めて好球必打を貫く。野球に取り組む姿勢は若手たちのお手本だ。
結果で示す存在価値
ドラフト1位指名時に悲しい反応をされたことが原動力になっている。野球ファンの間では有名なエピソードだ。大山が入団時のドラフトは
田中正義(
日本ハム)、
柳裕也(
中日)、
佐々木千隼(DeNA)の3投手が「大学BIG3」として注目を集めていた。阪神は佐々木の指名を予想する声が多かったが、当時の
金本知憲元監督の強い希望もあり、白鴎大のスラッガー・大山を単独で1位指名。すると、ドラフト会場に詰め掛けた来場客から「えー!」と悲鳴や落胆の声が漏れた。大山は複雑な胸中だったが、その後の活躍で1位指名が正解だったことを証明している。
20年に自己最多の28本塁打を放ち、
巨人の
岡本和真(現ブルージェイズ)と熾烈なタイトル争いを繰り広げると、23年は
岡田彰布監督の下で「不動の四番」としてリーグ優勝、日本一に大きく貢献。
藤川球児監督就任1年目に2年ぶりのV奪回を果たした昨年は、四番・佐藤の後を打つ五番を務めた。打順が変わっても、勝負強い打撃で稼働する役割は変わらない。球団史上初のリーグ連覇に向け、大山の存在は不可欠だ。
写真=BBM