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【首都大学リポート】決勝ソロを放った武蔵大・丹羽心吾の勝負強さの秘訣

 

2年生ながら武蔵大の打線の中軸を担っている[写真=BBM]


4月25日 武蔵大 1-0 筑波大(武蔵大1勝)

 首都大学野球2026春季リーグ・第4週1日目。1勝3敗のスタートとなった武蔵大と開幕4連敗と苦しんでいる昨秋の王者・筑波大。どちらもシーズン中盤からの反攻に転じたいチーム同士の一戦となったが、この試合で唯一の得点となる貴重な決勝弾を放ったのが武蔵大・丹羽心吾(2年・帝京高)だ。

 丹羽は帝京高時代に四番・捕手として活躍。3年春は東京都大会で優勝し、関東大会は4強まで勝ち上がった。「四番と言っても、高校通算本塁打は7本か8本くらい。前後にすごいバッターがいたので、つなぐ四番でした」。最後の夏は東東京大会決勝で敗退し、甲子園出場はならなかった。武蔵大への進学の背景を語る。

「1年生の頃から声を掛けていただきました。ずっと『必要とされているところで野球がやりたい』と考えているので、武蔵大へ進むことを決めました」

 大学ではピッチャーのレベルの高さに驚いた。「変化球のキレがすごくて、手元で曲がったり、落ちたり。今も対応できているのかは分からないですが、普段の練習から変化球を多めに投げてもらって実戦的な練習に取り組んでいます」

 こうして1年時から才能を発揮し、昨秋は規定打席に2打席足りなかったものの打率.382をマーク。そして、この冬は体力面の強化に励んだ。

「昨年は春、秋とリーグ戦を経験させていただき、フィジカルの面がまだまだと感じました。そこで、ウエイト・トレーニングで全体を鍛えつつ、練習では強くスイングすることを常に心掛けました。強く振ることでスイングスピードを上げながら、スイングに必要な筋肉も鍛えられると思いますし、バットの操作性も上がってコンタクト率が良くなっているように感じています」

 オープン戦の成績は今一つだったというが、リーグ戦が開幕すると初戦の帝京大1回戦から2安打1打点1二塁打の活躍。その後も好調な打撃を維持し、前週を終えた時点で打率.333(15打数5安打)とリーグ6位の成績を残している。

「大事にしているのはタイミング。タイミングさえ合っていればどんなフォームでも打てると思うので、ネクストバッターズサークルでは相手投手をしっかりと見て、ボールのキレなども確認しながらタイミングをはかっています。あと、リーグ戦はオープン戦と違って、たぎってくるものがあって、今は打てる感覚がしているんです」

指揮官からの全幅の信頼


 この日の筑波大1回戦は四番で先発。今季は開幕からずっと、この打順を任されている。

「四番としてのプレッシャーはありますが『自分がやらないと』という使命感もあります。まだ2年生で、オープン戦では打てなかったのにもかかわらず使ってもらっているので感謝の気持ちを持ちながら、これからも打ち続けていきたいです」

 試合は武蔵大のアンダースロー・川口翔太朗(4年・上尾高)と筑波大の技巧派・友廣陸(3年・北陸高)の両先発が好投。序盤から投手戦が繰り広げられるなか、4回裏、二死走者なしの場面で打席に立つと「高めに浮いてきた変化球を呼び込んで打つことができました」と左中間へ豪快な一発。この一本がうれしいリーグ初ホームランとなった。

「これまではあとひと伸びが足りなかったのですが、ベースを一周できて気持ちよかったです」。守備では今季からキャッチャーとしてマスクをかぶり、この試合では4人の投手をリードして相手打線を5安打無失点に抑えた。

「高校時代もキャッチャーをやっていましたが、その頃はリードがよくないと言われていました。でも、今は注意されることが少なくなりましたし、逆に褒められることも増えています」。その要因はコミュニケーションにある。山口亮監督の指示もあって、週に何度も投手とミーティングをする機会を設けている。

「相手チームのデータを一緒に見ながら研究しています。そして、武蔵大は全体練習の時間が短く、自主練習が多いのですが、できるだけ練習する時間を合わせてブルペンやケースバッティングの時にマスクをかぶるようにしています」

 ゲームはスピーディーな展開となり、2時間もかからずに終了。武蔵大が1対0で逃げ切り、筑波大に先勝している。

 今季の目標については「ベストナイン。チームとしても、まだ1カードしか落としていないので、あとの4カードをとって優勝し、神宮球場や東京ドームで試合がしたいです」と語る。2年生ながら、四番・捕手という攻守の要を任されるが、山口監督は「打撃についてはしっかりと振ることができて、簡単に三振しない選手なので心配していません。リード面はまだまだ勉強中ですが頑張ってくれています」と評価。そして、丹羽本人は「キャッチャーは自分から志願したのですが、それもアピールになると思ったから。プロを目指して、行けるところまで行きたい」と向上心を強く持っており、さらなる成長を図っていく。

取材・文=大平明
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