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【首都大学野球】日体大・酒井成真がキャリアハイ4本塁打と量産の理由

 

アンダースロー対策の成果


日体大は武蔵大に先勝してリーグ優勝に王手。三番・酒井の初回の先制2ランで主導権を握った[写真=BBM]


5月16日
日体大3-2武蔵大(日体大1勝)

 首都大学野球2026春季リーグ・第7週1日目。最終週を迎え、6勝4敗、勝ち点3でトップに並ぶ日体大と武蔵大が直接対決。勝ち点を挙げたほうが優勝となる大一番の1回戦が行われた。

 強烈な先制パンチを食らわせたのが三番・DHに入った日体大・酒井成真(4年・東海大菅生高)だ。1回表、武蔵大のアンダースロー・川口翔大朗(4年・上尾高)に対し、一死二塁のチャンスで打席に入ると真っすぐを強振する。

「右打者は『思い切って引っ張っていい』という指示が出ていたところにインコースへ真っすぐが来ました。切れなければ入ると思ったのですが、良い感じで真っすぐ飛んでくれました」と左越えの先制2ランを放った。

 この1週間、チームとして下手投げを想定した打撃練習を繰り返し、成果を出した。

「マシンの足の部分を取り外して、低い位置からリリースされるボールを打ってきたのですが、目を慣れさせていたのでボールが見やすかったです」

 その後は投手戦となったが、日体大の先発左腕・西平晴人(4年・近大付高)が9回に151キロを計測するなど、武蔵大打線を5安打2失点に抑えて2試合連続の完投勝利。3対2で接戦を制し、大一番で先勝した。

 酒井は「自分のホームランでチームが乗ってくれてよかった。明日も積極的にいけば、おのずと結果は付いてくると思います」と必勝を誓っている。

右ヒザ半月板損傷から復帰


 酒井は1年春にリーグ戦デビュー。同秋には四番を任され、明治神宮大会では天理大との準々決勝で2打席連続本塁打。昨春は打率.326、2本塁打でベストナイン(外野手)を受賞するなど主軸として活躍してきた。

 ところが、昨年12月に右ヒザの半月板を損傷した。

「古城隆利監督から『焦らないで良い』と声を掛けてもらったこともあり、一から体を見つめ直して、自分の体を鍛え直そうと思いました」

 ウエート・トレーニングで上半身を鍛え、弱い部分だと感じていたハムストリングを強化するためにレッグカールを行うなどベーシックなトレーニングに取り組んだ。さらに体幹を鍛え「上で野球を続けるためにはもっとフィジカルを鍛えなければいけないと思っていたので、今、思えば良い機会になりました」と振り返る。

 4月に全体練習に合流。第4週の城西大1回戦で戦列に復帰すると、ヒザの負担を考慮して足を上げないフォームとなっているが、代打で起用されて犠飛。さらに第5週の帝京大1回戦では今季初本塁打を放つと、翌日の帝京大2回戦では1試合2本塁打。

「センターを中心に左中間から右中間へ強い打球を打ち返すことを心がけています」。1本目はセンターのバックスクリーンへ。2本目はライトへライナーでたたき込んだ。

 トレーニングでパワーアップした姿を見せる一方で「復帰してから、その場で体を回して打つことができています。前に突っ込まずにボールを待つことができるのでポイントが近くなる分、コンタクト率が上がっています」と前週まで6試合に出場し、打率.412(17打数7安打)と好成績を残している。

心身とも充実のシーズン


 リーグ優勝をかけた武蔵大1回戦でも先制弾と勝負強さを見せた。これでキャリアハイのシーズン4本塁打をマークし「ヒザの痛みはもうありませんし、故障であれだけ長く野球から離れたことがなかったので、今は楽しくプレーすることができています」と心身ともに充実している。

 古城監督は「酒井はパンチ力がありますが、何よりも素晴らしいのはハート。打ってやろうという気持ちが強く、追い込まれてからも食らいついていく。デッドボールを受けても踏み込んでいけますし、良い根性をしています」と評価している。

 リーグ優勝に王手をかけ「応援してくれているチームメートのためにも勝つしかない。優勝して古城監督を胴上げしたいです」と酒井。遅れてきた右の大砲が日体大を頂点へ導こうとしている。

取材・文=大平明
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