帰国翌日に新チーム初の公式戦

横浜の新主将・川上は台湾からの帰国翌日に県大会3回戦を戦った。シートノックでは疲れも見せず、軽快な動きを見せた[写真=BBM]
2026年の高校日本代表は横浜高から5人が選出された。3年生は自校に続き、代表チームでも主将を務めた小野舜友、157キロ右腕・
織田翔希、3拍子そろった遊撃手・
池田聖摩の3人。2年生は150キロ左腕・
小林鉄三郎に、強打の三塁手・川上慧が日の丸を背負った。メンバー18人中5人であるから、同校のレベルの高さを改めて証明する形となった。
台湾で開催されたU18アジア選手権は準優勝。チームは14日に帰国した。翌15日は横浜高の神奈川県大会3回戦(対横浜栄高)が組まれた。新チーム結成以来、初の公式戦。村田浩明監督によれば、練習試合は13日に組んだ1試合のみで、この県大会初戦が対外試合2戦目だったという。この日、新キャプテンである川上は初めて右袖に主将マークを着け、小林は織田から引き継いだ背番号「1」を初めて着けた。
新たなポジションで存在感

150キロ左腕・小林は織田翔希からエース番号「1」を引き継いだ[写真=BBM]
試合は横浜高が18対4(7回
コールド)で新チームの船出を飾った。ベンチ入りした川上、小林はともに、この日の出場機会はなかった。リーダーシップ旺盛の川上はシートノックから疲れも見せず、新たなポジションである遊撃で軽快な動きを見せた。試合中は記録員を務める檜物大(2年)の横で戦況を見守り、メモ帳に気づいたことを記す場面も見られた。
主将の口から発信

主将・川上の出場機会はなかったが、一塁ベンチでは時折、メモを取る姿が見られた[写真=BBM]
村田監督はなぜ、川上を主将に据えたのか。試合後に明かした。
「川上は適任かと思います。1年時には阿部(
阿部葉太、早大1年)の姿を見ており、彼は頭が良いので、優れている部分をすべて吸収していました。また、視野が広いので、監督の様子も伺いながら、動ける(苦笑)。選手たちに声を掛け、同期にもはっきり物事が言える。2年春から3年夏まで阿部が主将を務めた後、次の世代である小野は何かと比較をされて大変だったと思いますが、今年は良い形で移行できています。川上ならばできるだろう、と。物事をしっかりと伝えられる人間なんです。いまのこの横浜高校のチームカラーには、そこがすごく重要かな、と。ちょっとクールなので、燃えるところが噛み合ってきたら結構、面白いチームができる。選手ミーティングを必ずやるんですが、自分の口から発信することを大事にしてやってくれます。選手が主体で動かないと、本物にはなりません。川上の率先的な動きを見ていると、また新しい横浜高校ができるんじゃないかという、期待感があります」
県内の公式戦40連勝

主将・川上[左から5人目]はクレバーであり、リーダーシップが抜群。新たな横浜高校の野球を築き上げる[写真=BBM]
川上と小林は約20日間、チームを離れた。この間、大矢球道(2年)が主将代行を務めた。「ジャパンに行った組は、台湾でたくさんの収穫を持ち帰って成長する。(川上、小林と)2人がいない中でキャプテンを大矢にして、自分たちで良いチームを作って成長していこうと。お互いで『ウィンウィン』ということを大事にして、ここまでやってきました。スローガンは『オンファイア』。とにかく、熱く燃えろ、ということです。今年はそういうテーマでいきたいと思っています」
3回戦を突破し、横浜高は2024年秋から続く県内の公式戦連勝を「40」に伸ばした。人が変われば、チームは変わる。「この夏はベスト4という結果だったので、それを超えていけるような夏の全国制覇、まずはセンバツですけど、全国優勝というのを成し得られるようなチームになっていきたいと思います」。主将・川上が統率する今秋、どのような成長曲線を描くのか、ベスト8をかけた県大会4回戦(対横浜商大高、9月19日)も注目である。
取材・文=岡本朋祐