サヨナラ勝利で貯金2

9月23日の中日戦は戸柱のサヨナラ弾で勝利を飾った
5年連続CS進出を決めた
DeNAだが、負けられない戦いが続く。今年からCSファイナルステージに新たな制度が導入され、首位と10ゲーム差以上、または勝率5割未満のチームがCS進出した場合に、優勝球団に与えられるアドバンテージが従来の「1勝」ではなく、「2勝」となるからだ。
DeNAは6月終了時点で借金を最大15抱えていたが、7月以降に反転攻勢に。9月に入って強さが際立つ。9日の
ヤクルト戦(横浜)から今季最多の8連勝を飾るなど、14勝5敗と大きく勝ち越し。23日の中日戦(横浜)では同点の延長12回に劇的なドラマが待ち受けていた。
戸柱恭孝が相手守護神・
松山晋也の152キロ直球を右翼席にサヨナラアーチ。今季初アーチが決勝弾となり、貯金を2に増やした。
リーグ最多の539得点をマークする強力打線は、勢いに乗ったら手が付けられない。9月15日の
巨人戦(横浜)が象徴的な試合だった。
佐野恵太、
筒香嘉智、
蝦名達夫、
牧秀悟がアーチを放つなど2回までに
戸郷翔征から9得点を奪う猛攻。その後も加点して13対2と圧勝し、逆転優勝を狙う巨人に同一カード3連勝を飾った。
「印象にあるのは攻撃力」
阪神の元監督で野球評論家の
岡田彰布氏は週刊ベースボールのコラムで、DeNAに対する警戒を口にしている。
「先の甲子園での阪神戦を生で見た。やはり印象にあるのはDeNAの攻撃力やった。さすがリーグトップクラスの厚みやし、それは場所を移しても発揮されていた。9月9日のヤクルト戦(横浜)。中盤に攻め立て、1イニング7点の猛攻で圧勝した。これが強いときのDeNAの姿だ。昔からそうやったわ。オレが見ているのは『マシンガン打線』と呼ばれていた時代。そこから時は流れても、チームの形態、チームの特徴はほとんど変わっていないもんね。これは何が要因なのか。オレ的に考えるのは、環境によるもの……と見ている。というのも本拠地にしている球場が狭い。有数のホームランが出やすいスタジアムとなっている。そんな球場で、守りの野球を掲げても、そら難しいわ。要するに環境に見合った野球をする。そうなれば『守』より『攻』に特化したほうが、環境にマッチしているわけよね」
「5割で3位に入れば、そら最も不気味なチームとして、CSに向かってくるわけよ。阪神としては、何となく巨人よりDeNAのほうが戦いにくいかもしれないわ。それはレギュラーシーズンの対戦成績に表れているわ。巨人にはここまで圧倒的に勝ってきているが、DeNAとは厳しい戦いが多く五分の対戦成績よ。これだけでいけば、DeNAはホンマ、いやな相手になるだろうし、どんな形でCSに進出してくるのか。ここは注目して、見届けたいよな」
阪神とは互角の勝負

DeNAを率いる相川亮二監督。ポストシーズンでの下克上を目指す
対戦成績を見ると、阪神は巨人に16勝8敗と大きく勝ち越しているが、DeNAに12勝10敗。甲子園でも5勝5敗と互角の数字だ。DeNAから見ても嫌なイメージはないだろう。21日の阪神戦(甲子園)は4時間20分の熱戦の末に、延長11回に
中川虎大が
大山悠輔にサヨナラ弾を浴びて2対3で敗れたが、阪神打線を上回る11安打を放ち再三好機をつくった。
好投手がそろっている阪神に対し、相性がいい打者が多いことも明るい材料だ。牧秀悟は打率.348、6本塁打、9打点、
ヘラル・エンカーナシオンは打率.308、2本塁打、9打点、
宮崎敏郎は打率.345、3本塁打、11打点、
度会隆輝が打率.314、0本塁打、10打点をマーク。今季ブレークした
勝又温史も打率.352と快音を響かせている。投手陣も守護神の
ショーン・レイノルズが固定されてから防御率が改善され、試合の主導権を握る試合が増えている。
シーズンは残り6試合。2勝すれば勝率5割以上でレギュラーシーズンを終えられるが、短期決戦で下克上を目指すことを考えるとすべて勝って勢いに乗った形でCSに臨みたい。阪神と3試合、巨人と1試合残している。リーグ優勝を逃した悔しさを晴らすためにも、勝利にこだわる。
写真=BBM