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松井秀喜新監督の下で覚醒できるか…今季9試合出場に終わった「巨人のドラ1」が正念場に

 

逸材として期待も薄れる存在感


高卒4年目の今季、一軍では思うような結果を残せなかった浅野


 松井秀喜新監督が就任した巨人が、新たなスタートを切った。10月23日に都内で行った就任会見で、「ジャイアンツはアメリカ野球に追いつけ追い越せ。私は現役時代の半分をアメリカでプレーしました。また、引退後に12年間ニューヨーク・ヤンキースでお世話になり、選手育成の中で携わらせていただきました。市場の規模という意味ではまったく違いますが、今、世界一の野球選手が日本人であることも事実です。我々ジャイアンツからもそのような選手が出るように、今後しっかりとジャイアンツ皆でその環境をつくり、選手がしっかり成長できるよう頑張っていきたいと思います」と力強く誓った。

 V奪回に向けて外部補強に乗り出す可能性があるが、松井監督が目指す黄金時代を構築するために生え抜きの強打者の一本立ちが不可欠だ。リーグ連覇を飾った阪神は三冠王を獲得した佐藤輝明が39本塁打、森下翔太がリーグ2位の35本塁打、大山悠輔が20本塁打をマークしたのに対し、巨人は大城卓三、佐々木俊輔の10本塁打が日本人選手でチーム最多と寂しい結果に。その中で覚醒が待たれる選手が、来年に高卒5年目を迎える浅野翔吾だ。

 ドラフト1位で入団して将来のチームを背負う逸材として期待されたが、存在感が薄れている。今季は9試合出場で打率.185、1本塁打、1打点。2月の春季キャンプイン直後に「右ふくらはぎの肉離れ」で出遅れると、5月下旬に一軍昇格したが1週間も経たず登録抹消された。1カ月後に再昇格したが強いインパクトを残せず、7月下旬以降はファーム調整に。8月4日のファーム・リーグDeNA戦(Gタウン)で6号ソロを放った際の走塁中に右膝の半月板を断裂して長期離脱した。手術を経て、現在は秋季練習にリハビリ組として調整。10月25日に自由契約となったが、育成契約を打診すると見られる。

ケガに強い超一流


 松井監督も浅野と同様に高卒ドラフト1位で巨人に入団。恩師の長嶋茂雄さんと強い絆で結ばれた師弟関係だったことは、周知の事実だ。ドラフト1位で4球団が競合し、監督に就任したばかりの長嶋さんが当たりクジを引き当てると、「四番育成1000日計画」のノルマを課された。入団4年目にマンツーマン指導が始まり、松井監督が03年にヤンキースへ移籍するまで素振りをチェックして助言を送り続けていた。「長嶋監督と出会えた縁がなければ松井秀喜という野球選手は、まったく違った野球人生を送っていたと思います」という言葉に重みがある。

 浅野は松井監督の下で存在をアピールできるか。今年は一軍で結果を残せなかったが、収穫があった。ファームで62試合出場して打率.322、6本塁打と安定した成績を残し、課題の外野守備でも送球が安定して不安が消えてきている。首脳陣の信頼をつかむためには、試合に出続けるコンディションを維持することも重要だ。浅野と同様に高卒ドラフト1位で入団し、球界を代表するスラッガーに飛躍した松井監督や岡本和真(現ブルージェイズ)は大きな故障が少なく、常に試合に出続けていた。浅野は近年に度重なる故障が目立つ。試合中のケガは不可抗力の部分があるが、超一流になる選手はケガに強いのも事実だ。

「オールラウンドな選手に」


 浅野は巨人に入団が決まり、高松商高の恩師・長尾健司監督と週刊ベースボールの企画で対談した際、以下のように語っている。

「見ている人は『ホームランを打ってほしい』とか『長打が見たい』と思うかもしれませんが、ジャイアンツにはほかにもホームランを打てるすごい選手がたくさんいる。自分がホームランを打たなくても、その選手にチャンスで回す、塁を埋めて回す。一番や二番を打つことができるようになったら、四番の岡本和真選手にランナー二塁で回す、ということを目標にしながら、状況に応じたバッティングをしていきたいと思っています。その中で、場合によってはホームランも打てて、ヒットも打てる、オールラウンドな選手になっていきたいです」

 掲げた目標がトリプルスリー。松井監督や岡本のような生粋のスラッガーではないかもしれないが、浅野にしかない良さがある。来年はコンディションを回復し、再び支配下となり、一軍戦力として打線の核になれるか。

写真=BBM
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