
4月19日の広島戦[マツダ広島]で初完封勝利を飾り、倉本寿彦からウイニングボールを受け取る今永。先発投手として最高の瞬間でしょう!/写真=佐藤真一
9回を投げ切った達成感は何ものにも代え難い
■先発の難しさとやりがい 2年目の
今永昇太(
DeNA)がプロ初完封を飾りました(4月19日広島戦=マツダ広島)。完投も未経験だった彼が、強力カープ打線を1安打に抑える堂々とした内容でした。これをステップにさらに成長してくれることでしょう。さて、その今永で気になった場面が前回の先発登板となった12日の
阪神戦[横浜]にありました。
2点のリードをもらい、すいすいと投げていた4回に突如として乱れ、一挙に6失点。調子は決して悪くはなかったにように見えましたが、無死から三番・
糸井嘉男への四球をきっかけに何かが狂った。あの場面、彼には珍しく自分の投球スタイルを見失っていました。
5回で降板した今永は「勝ちを意識してしまった」と反省していました。読者の皆さんは「4回で勝利を意識するのは早いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、クリーンアップからの打順でしたし、先発投手とはそういう生き物なんです。「勝ちたい」という気持ちを持ちながら、そのために何をしなければならないか。それが先発の難しい部分です。今回は、自分も長年経験してきた「先発投手」がテーマです。
突如乱れた経験は自分にもあります。あるシーズンの
巨人戦、先発マウンドに上がり、打者1巡目を終えた時点で奪った三振は6つ。ボールにキレもあり、絶好調でした。しかし、2巡目から巨人打線につかまり、結局負け投手。ほかにも9回二死まできっちり抑えていたのに、最後の1アウトが取れずに負け投手なんてこともよくある展開です。だからこそ先発はやりがいがあるわけです。
先発は立ち上がりがポイントだとよく言われます。それは永遠の課題でしょう。試合前のブルペンでいくら調子がよくても、初回の1アウトを取るまでは不安なもの。自分が先発するときは、初回から・・・
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