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三浦大輔の「Hit it! If you can.」

三浦大輔コラム「DeNAに結果と言動で引っ張る投手が出てくればもっといい投手陣になる!」

 

好評連載コラムの出張版として昨年まで選手兼投手コーチだった野球解説者の三浦大輔氏に投手陣の前半戦チェックと後半戦、投手陣が飛躍するために何が必要なのかを語ってもらった。
※成績は7月27日現在、QSはクオリティー・スタート


CHECK POINT1 前半戦の先発投手陣の出来は?


先発ローテの頭数はそろった

 前半戦では、石田健大が左ヒジ違和感で戦列を離れてしまったところを、新人の濱口遥大、井納翔一、今永昇太がよくカバーしたと思います。長いイニングを投げられる安定感のある先発陣を形成しました。そこにウィーランドが加わり、試合を作れる先発が増えてきたな、と感じていました。谷間などでベテランの久保康友や若い熊原健人、飯塚悟史がいい投球を見せてくれました。最近のDeNAでここまでローテーションを回せる先発陣はできていませんでした。それが今年はしっかりとした形ができていることは大きいです。

CHECK POINT2 先発陣個別編


石田健大 高いレベルで今永と競え!

 左ヒジの違和感から復帰してからは、いい感じで投げていると思います。戦線離脱している間にライバルの今永や濱口が活躍しました。特に今永とは昨年あたりから比較される部分も多くありますから「今永が勝てば、オレも」という競争原理が働いていると思います。それが高いレベルでの争いにつながりそうな予感がありますので、そこが後半戦の楽しみでもあります。今年はもうこれ以上ケガなどで離脱してもらったら困る存在。1日1日しっかり体をケアをしながら残りのシーズンを戦ってほしいですね。

今永昇太 成長することにどん欲な男

 今年は、昨年のルーキー時代の失敗に対し「同じことは繰り返さないぞ」と、工夫しながら投げているのが見てとれます。意識を高く持ってやっているなあ、と。その失敗を繰り返さないという強い気持ちがマウンド上で表現できていますね。彼は、成長しようとすることにどん欲な性格。日ごろの生活面でもそれが見られます。このまま順調に成長していってほしい存在です。課題というか、できればマウンド上、ピッチングの中で遊び心があるともっといい先発投手になります。それができると相手打者がさらにイヤがると思いますね。

ウィーランド コントロール抜群の優良助っ人

 真っすぐのキレとコントロールが抜群にいい投手。DeNA[横浜]が取った歴代の外国人投手の中でも、トップクラスの投手でしょう。なおかつ表情を変えることなく淡々と試合を作っているところが素晴らしい。打者との駆け引きもうまい。真っすぐ、ナックルカーブ、カットボール、チェンジアップが平均点以上ですから後半戦も大崩れせず、先発ローテの役割を務めてくれる投手だと思いますし、期待しています。

井納翔一 投球内容にもう一工夫を

 試合中盤以降での打順の2巡目、3巡目で失点する傾向があります。これが前半戦4勝のみという結果につながっています。成績を見るとイニングは長く投げていますが、それだけでは意味がない。勝つために投げているので、2巡目以降に修正できる部分を修正してほしいんです。これは以前からの課題。年間を通して調子が悪いときでも2〜3試合は修正をしながら試合を作っていくのが先発。自分がどう気付いて、どう変わらないといけないかを考えることが井納のポイントだと思います。

久保康友 気持ちを切らさないベテラン

 打者のタイミングを外しながらうまいピッチングを今年も見せてくれています。なかなか登板機会が増えない中で前半戦4勝1敗の成績でした。防御率が6.23と悪い中での貯金3ですから、勝ち運を持っている投手だと思います。二軍で調整を続けていても気持ちを切らすことなく、一軍での出番を虎視眈々と待っているので、頼もしい存在ですよね。

濱口遥大 前半戦先発陣を支えたルーキー

 左肩違和感で離脱してしまいましたが、前半戦は非常にいい投球で、一軍で十分通用するところを見せてくれました。それもあり、すぐにでも一軍に戻りたいと思っているはず。しかし、焦らずじっくり治療に専念してほしいですね。そして戻ってきたときにはしっかりシーズン最後まで投げられるようにしてほしい。そうすれば前半戦のような投球と勝ち星を挙げてくれるはずです。

熊原健人&飯塚悟史 前半戦の失敗を糧にしろ

 これから暑い中で連戦が続きます。その中で飯塚や熊原には戦力になってもらわないと困ります。飯塚は初先発登板のときにいい投球をしましたし、フォークが素晴らしかった。しかし、2試合目では打ち込まれました。一軍で通用するには何が足りていて、何が足りていないかが分かったはずです。それを後半戦に生かしてほしい。


 熊原は、マウンドで投げてみてハマればスゴい投球をしますし、そうでなければ1、2回でノックアウトという投手。彼の場合は、力のあるボールが持ち味ですから、そこをきちんと理解し伸ばしていけば後半戦チャンスがきます。それまでに自分の武器をしっかりと磨いて、準備してほしいですね。

CHECK POINT3 中継ぎ陣編 前半戦の出来と後半戦展望


全員で監督の起用に応えよう


 全体的に層は昨年以上に厚くなっています。ラミレス監督は、試合状況と、各投手の体調を見極め、うまく使っていますよね。7、8回では、リリーバーやセットアッパーを固定せず、臨機応変に起用しています。まず新加入した助っ人右腕のパットンはいるだけで存在は大きいので心配はしていません。


 三上朋也は、メンタルの強さや大胆さは彼の持ち味です。それが裏目に出て打たれるときはありますが、それでも攻めていくところが三上らしさですから、それを続けてほしい。ボールの力と微妙に動く真っすぐをこれまでどおり大胆に攻めて投げていってほしいですね。


 加賀繁は今年途中から一軍に上がり右の貴重なサイドスローです。田中健二朗砂田毅樹は、このところ少し真っすぐのキレが落ちているのが気になります。貴重な中継ぎ左腕として、もうひと踏ん張りしてほしいです。


 一方、須田幸太は現在ファームにいますが、下でしっかり調整してもって、一度昨年つかんだポジションを取り戻してほしいですね。シーズンを通じて中継ぎ陣全員の調子がいいわけではないですから、その時々で調子のいい投手で構成し、後半を戦い抜いてほしいですね。また、トレードで加入したエスコバーも左腕で150キロを投げていますから、後半戦では大きな戦力になると思います。


CHECK POINT4 クローザー編


山崎康晃 簡単に3人で終わる工夫を!

 毎回ヒヤヒヤさせられながらも……抑えてはいます。本人にも「スパッと3人で終わらせろよ」とは言っているんですけどね(笑)。前半戦の開幕当初は不調で中継ぎになりました。この経験をして一回り大きくなって抑えに帰ってきました。今のところ走者を出しながらも試合が終わってみたら抑えていますし防御率(1.47)はいいですが、内容的には毎回ヒヤヒヤさせられる。そこを何とかムダ球をなくして、簡単に3人で終るような工夫が欲しい。それができる投手なんですけどね。

 一方で、今年は右打者に対しての真っすぐがよくなりました。昨年はツーシームに頼り過ぎる投球ばかり。今年はこの真っすぐでカウントを稼げますし、勝負もできているので、この数字(17セーブ)になっている。この真っすぐがあれば、後半戦の勝負がかかるときになっても問題はないと思います。


CHECK POINT 5 後半戦を勝ち抜くためのポイント


出でよ! 真の先発の柱。最後はヤスにつなげ

 理想はやはり、打線がすごくいいチームなので先発がしっかり試合を作って中継ぎ陣の負担を抑えることです。特に7回という一番苦しいイニングを先発が踏ん張ってくれるようでしたら、いい流れになります。

 一方、中継ぎはみんなでカバーし合っているので、現状の状態で最後まで頑張ってほしいです。中継ぎ陣は、「9回のヤス(山崎)」につなごうという意識で投げている感じがうかがえますし、このままの意識でいってほしい。うらやましいくらい、本当にいい投手陣になってきました。

 そして最後に投手陣に注文したいことがあります。それは、先発の中で「結果と言動で引っ張っていける投手が出てきてほしい」ということです。後半戦、優勝を目指すなら誰か先発陣の柱になる存在が出てこないといけません。そこがチーム上昇していく上でカギになると思います。結果を残せるように切磋琢磨していくと後半戦は非常に面白い戦いをしてくれると思います。

PROFILE
みうら・だいすけ●1973年12月25日生まれ。奈良県出身。高田商高から1992年にドラフト6位で横浜大洋(現DeNA)へ入団。98年に12勝を挙げ、リーグ優勝、日本一に貢献。横浜一筋25年も2016年限りで現役引退した。現在は横浜DeNAベイスターズのスペシャルアドバイザーを務めながら野球解説者としても活躍中。

自分が現役生活で得た経験、そしてユニフォームを脱いで“外”から眺めた野球界について、感じたことを発信していきます。

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