
リプレイ検証でホームランのジャッジ。これが間違っていたなんてねえ
演技力なら「達川さん」
サッカー・ワールドカップが盛り上がってきたね! 初戦の日本─コロンビア戦を見ていて一つ思ったのは、演技力。南米の選手は特にだけど、足なんてひっかかってないのに、すごくダイナミックにコケる。あれは日本人の選手には無理だね。
ただ、プロ野球の世界では、「この人がサッカーをやっていたら、すげえうまくコケるだろうな」と思う人がいる。
広島のキャッチャー、現
ソフトバンクのヘッドコーチ、
達川光男さんさ。
当たってない死球とか、打席の
大杉勝男さん(元
ヤクルトほか)相手にブツブツ話しかけて頭を小突かれたりと、逸話がたくさんある人。ただ、誤解されてるかもしれないが、ユーモアもあって面白い人だけど、決してお調子者というわけじゃないんだ。むしろ冷静沈着、頭脳明晰。あれだけ記憶力のいい人に、俺は会ったことがない。
俺は1981年入団だけど、70年代、80年代はキャッチャーのサインを走者や相手コーチが盗むなんて当たり前のことだった。だからサインも盗まれないように複雑化して、83年に禁止されたけど、乱数表というのを作ってピッチャーがグラブに貼り付けてた時代もある。
乱数表がなくなってからも複雑なサインを決めて、さらにそれをアウトカウントやボールカウントで足したり引いたりしてやっていた。覚えるのがほんと大変だったよ。けど、ほんとに大変なのはキャッチャー。投手によっても変えてたから、それこそ十何通りある。でも、達川さんはいつも涼しい顔で、全部正確にこなしていた。
俺にとっては大恩人だけど、最初はよくぶつかった。だって、サインどおりに投げてもカンカン打たれるんだ。俺がむくれていると、達川さんがマウンドに来て「お前の好きなように放れ、全部捕ってやる」と言われたことがある。俺はそのころストレートとカーブしかなかったこともあるけど、ノーサインでも問題なく捕ってくれた。
俺の性格を分かっていて、うまく操ってくれた人だったな。
達川さんについては、まだ書きたいことがあるから、最近始めたWEBのコラムのほうに載せるよ。27日の水曜くらいにアップ予定。お楽しみに。
(→こちら) 専門チームを作るべき
達川さんの話を早々に切り上げたのは、書きたいことがあったから。6月22日、ソフトバンクの
中村晃のファウルの打球がホームランになってしまった
オリックス─ソフトバンク戦(ほっと神戸)の誤審騒動さ。
いつかこういうことが起こると思っていた。メジャーで採用したからって、急いで導入し過ぎたんじゃないかな。
だって、映像は球場にもともとあるカメラからか、中継しているテレビ局からもらったりするんでしょ。だから映像がない角度があったり、そもそも地方球場では採用しないというけど、それ、おかしくないかな。
勝敗を左右する大事な場面の判定なんだから、もっと平等にすべきだと思うよ。それこそNPBで専門チームを全試合に派遣し、判定に必要な個所にカメラを設置し、専門の分析チームを作るべきでしょ。何でもかんでも審判の責任じゃないだろ。
それにさ、もし地方球場まで手が回らなかったというなら、ほっともっと神戸は地方球場なの? 俺は、オリックスの準フランチャイズだと思ってたよ。
頭に血が上ったついでに書いておくけど、
ロッテ・
大嶺翔太の借金で引退にはがっかりした。プロ野球選手は子どもたちに夢を与える仕事なんだからさ。
借金自体は、昔からプロ野球選手はどんどんしろ、と言われた。家を買ったり、車を買ったりして、借金を背負ったほうが頑張れるからって。でも、今回は違うよね。年俸が推定1000万円で返せないくらいすごい借金を26歳の男がどうして作っちゃったのかな。身の丈を知れだよ。ほんと。
PROFILE 川口和久/かわぐち・かずひさ●1959年生まれ。鳥取県出身。左投両打。鳥取城北高からデュプロを経てドラフト1位で81年に広島入団。3年目の83年に先発の一角を確保し、86年からは6年連続で2ケタ勝利を挙げた。95年にFAで
巨人へ移籍、98年限りで現役引退。巨人のコーチも務めた。通算成績435試合登板、139勝135敗4セーブ、防御率3.38。