
投手・根尾をどう起用していくのか
投手は簡単じゃない
セ・パのリーグ戦が再開した6月17日からの
巨人3連戦(バンテリン)で連勝スタートを切った
中日だが(6月18日時点)、交流戦の最後は6連敗で一度はセ・リーグの最下位に落ちている。連敗中3試合は完封負けで、開幕から続く打線の得点力不足の課題が露骨に出た。
立浪和義監督初年度の今季は、近年の課題と言われた大砲の補強もなく、打線の得点力不足は覚悟していたはずだ。ここまでは
鵜飼航丞、
岡林勇希、故障してしまったが
石川昂弥ら若手選手を積極的に使い、打順もいろいろ入れ替えたり、打線に刺激を与えつつ、つながりで得点力をアップさせようとしているが、なかなか結果が出なかった。
その中でいま話題となり、賛否両論が出ているのが
根尾昂の投手転向だ。立浪監督は昨年の秋季キャンプから投手転向の可能性について根尾に伝えていたらしいね。本人は「もっと打ちたいという気持ちはありますし、投げたいという気持ちもあります」と話していたようだが、中途半端でモヤモヤしていたのなら、思い切って投手と決めてやったことは悪くないだろう。ただ、来年以降ならともかく、根尾が投手として今季活躍できるかと言えば、はっきり言って難しい。
根尾の能力を評価しないわけじゃないよ。もともと二刀流に挑戦できる時点で、高い野球センスがなきゃ無理だし、大阪桐蔭高時代のピッチングを見たときも、いいボールを放っているなと思っていた。ストレートの伸びもあったし、質がいい。
ただ、それは高校生としてで、いま何度か登板し、ストレートも150キロは出ているが、現状はプロの一軍レベルじゃない。
大谷は特別
これはもう当たり前の話で、
松坂大輔(
西武ほか)のように1年目から活躍する選手もいるけど、普通、高卒ピッチャーがプロの技術と力を身につけるには2、3年かかる。根尾は4年目だが、これまでほとんど投手のための練習はしていないはずだ。フォームもそうだし、変化球や制球力など、高校時代から進化するわけもなく、さらに言えば、体つきも野手的になっている。
現時点で立浪監督は本格的な投手起用を考えているわけではないはずだ。そうなら、すぐ二軍に行かせ、走り込みで下半身のキレを出し、投げ込みをさせたうえで二軍の実戦登板をさせてと、長期的なプランをスタートさせると思う。それが一軍帯同だからね。帯同しながらもトレーニングやブルペンの投げ込みはできるが、実際、ブルペンの100球は試合の緊張感の中では30球程度にしかならない。
今季は彼の左の代打としての力、強肩を生かした外野手の守備の力も必要と思っているんだと思う。投手は大差の試合の1イニングとか、その程度でいいという考え方じゃないかな。本格的な二刀流か投手専念かはシーズンが終わってからまた考える、ということだと思う。
俺はファンの人たちが二刀流に対し、期待値が高くなり過ぎているようにも思う。先発し、ホームラン王を狙うという
大谷翔平(エンゼルス)みたいな怪物は滅多に出てくるものじゃない。立浪監督はもっとリアルに、根尾という選手をどう使えば、一番チームにとって役に立つか、根尾自身がプロで生きていけるかを考えた決断だと思う。目指すは、いわば根尾オリジナルのスモール二刀流だね。