週刊ベースボールONLINE

川口和久のスクリューボール

川口和久コラム「岡田新監督で阪神はどう変わる?」

 

今季限りで退任の阪神・矢野監督


どのような化学変化が


 監督交代が続いている。セでは(たぶん)史上最速で退任表明をした阪神・矢野燿大監督と広島佐々岡真司監督、パではロッテ井口資仁監督と、新聞報道で正式発表ではないものの、西武辻発彦監督と4人の監督が退任し、4人の新監督が誕生することになりそうだ(BIGBOSS退任、新庄剛志監督就任は当然、除く)。

 この原稿は10月8日、CSファーストステージのDeNA-阪神戦(横浜)を見たあとに書いているが、阪神は、いきいきとした、いいチームになっているなと感じた。まあ……勝ちゲームだからでもある。シーズン中からそうだけど、勝っているときと負けているときの雰囲気の差が大きいチームだ。若い選手が多いのと、矢野監督自身が結構、喜怒哀楽が顔に出ることもあるだろうね。

 後任は岡田彰布さんで「そらそうよ!」と着々と進んでいる。岡田さん時代の阪神は今とは真逆と言うか、実績のある選手が多かったこともあって、勝っても負けても緊張感があった。厳しい監督さんだったし、解説者としても辛口の解説をすることが多い。阪神の選手は戦々恐々としているんじゃないかな。

 果たして、どんな化学変化が起きるのか。監督のタイプや野球の質の違いだけではなく、新監督は自分の色を出したくなるものだ。矢野阪神の中心選手が岡田阪神でも使ってもらえるとは限らないし、逆に矢野阪神でくすぶっていた選手が岡田阪神で輝くこともあるだろう。

 ただ、岡田さんも今の若者のやや打たれ弱い気質は分かっているはずだ。昔ほど厳しさを前面に出すことはないと思う。あとは俺と同学年の平田勝男が二軍監督からヘッドコーチになるという話が本当なら大きい。選手の力、性格を把握し、厳しくも明るい男だから、岡田さんの右腕にはぴったりだ。完全につくり直すというより、若手が伸びてきたチームに勝利への執念を植え付ける流れで、うまくいくのかとも思っている。

河田、頑張れ!


 Bクラスのロッテは井口監督が退任しただけでなく、青学大系、ホークス系と井口監督が連れてきたコーチも一気に退任した。俺は千葉出身、ロッテ一筋の福浦和也コーチの昇格かなと思っていたが、ピッチングコーディネーターをしていた吉井理人君の就任と聞いて、本人もらしいが、こっちもびっくりした。打撃が課題のチームではあるが、今年は自慢の投手陣にもほころびが見えた。吉井監督が投手陣を再整備して、ヘッドコーチになる福浦君につなぐ形になるのだと思う。

 西武は松井稼頭央君と言われている。二軍監督、ヘッドコーチと来ていたから、まさに既定路線だ。二軍監督経由は今のトレンドでもあるし、選手も迷うことはないだろう。

 カープは新井貴浩君。カープ愛が強く、ファンからも愛されている男だ。解説を聞いていても、野球をよく知っている。もうワンステップ、コーチ経験が欲しかった気もするが、引退から間もない分、選手は兄貴分を男にしたいと張り切るだろうし、チームの雰囲気は明るくなると思う。楽しみだね。

 そうそう、この間、俺の弟分、ヘッドコーチの河田雄祐から「退団します」とあいさつの電話があった。「このあとどうするんだ」と聞いたら、「いま検討中です」と。来季はセ、パどこかの球団で三塁コーチに立っていると思う。今回は結果を出せなかったが、野球の知識が豊富で、情熱もある男だ。どのチームに行っても必ず活躍してくれると期待しているよ。

PROFILE
川口和久/かわぐち・かずひさ●1959年生まれ。鳥取県出身。左投両打。鳥取城北高からデュプロを経てドラフト1位で81年に広島入団。3年目の83年に先発の一角を確保し、86年からは6年連続で2ケタ勝利を挙げた。95年にFAで巨人へ移籍、98年限りで現役引退。巨人のコーチも務めた。通算成績435試合登板、139勝135敗4セーブ、防御率3.38。
川口和久のスクリューボール

川口和久のスクリューボール

広島、巨人で活躍した川口和久氏が独自の視点でプロ野球に斬り込む連載コラム。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング