
自慢の飛距離を神宮で披露する日を夢見る
1月5日、
ヤクルトの戸田寮へ入寮する際には2キロのプロテインを持ち込んだ。また、トレードマークの丸刈りは自らバリカンで処理していたが、「荷物が多過ぎて入らなかった」と持ち込みを断念。今後は近所の理髪店を探すという。
中山翔太は、記念すべき第一歩目から、期待どおりのキャラクター全開である。
履正社高時代に春のセンバツで準優勝を経験。だが、四番に座った中山自身は打率.176と不発。全国レベルの壁を痛感した。ブレークのきっかけをつかんだ場所は、神宮球場だった。法大2年秋、明治神宮外苑創建90年記念奉納試合でヤクルトと対戦。東京六大学選抜チームの「六番・DH」として出場すると、プロから鋭い当たりを連発。特に
秋吉亮(現
日本ハム)から放った安打が印象に残っていると本人は回想する。
これをきっかけにレギュラーの座を奪取すると、法大・青木久典監督は中山を四番で起用し続けた。結果を残せず周囲から雑音が聞こえてきても、指揮官は中山の主砲としての成長を信じ、考えを曲げなかった。その結果、持ち前のパワーを発揮し、特大のホームランを連発。通算11本塁打をマークしている。
シンパシーを感じる選手は
西武の
山川穂高。中山と同じ青木監督の門下生だ。夢は「三冠王です」と語るが、その中で意識するのは本塁打だ。青木監督は「パ・リーグでは山川が獲ったので」と、教え子によるセ・パ両リーグ本塁打王を待望している。「神宮ででっかいホームランを打ちます!」と、もちろん本人もそのつもりだ。
写真=BBM