
京田が初めて失策を犯した2017年4月8日のDeNA戦(ナゴヤドーム)、荒木は京田へのフォローを忘れなかった
2017年の新人王・
京田陽太は昨季、2年目のジンクスに苦しんだ。チームで唯一、全試合に出場したが、打率は規定打席到達者ではリーグで下から2番目の.235。「打席でいろいろ考え過ぎてしまった」と自己分析する。
勝負の3年目となる今季。強力なライバルを迎え撃つことになる。チームにはドラフト1位で
根尾昂(大阪桐蔭高)が加入した。「ショート一本で勝負する」と宣言したスーパールーキーに対し、「譲るつもりはない」と対抗心を燃やす。
「2年間使ってもらって、自信になった部分もある。僕と根尾との違いは、荒木さんと組んでいるか、組んでいないか。これは根尾には絶対無理なことなので」
自信の根拠となるのは、昨季限りで引退した
荒木雅博(現二軍内野守備走塁コーチ)との日々。投手の配球や相手打者のスタイル、ボールカウントに応じて守備位置を変える。二遊間を組んだからこそ得られた経験。時には言葉から、時には背中から学んだ。
背番号が「1」に変わる今季、従来よりも一回り小さいグラブを用意した。「内野安打を防ぐには持ち替えを早くしないといけない」。昨季の守備率はリーグトップの.991。失策数は17年の14からわずか6に減った。次は相手の内野安打を減らす。
名手の薫陶を受けた者として、目指すのはゴールデン・グラブ賞。「タイトルで一番獲れるとしたらそこかなと思う」。
中日の遊撃手では、12年の
井端弘和以来となる勲章を狙う。
写真=BBM