今季も大谷翔平(エンゼルス)が二刀流で全米を席巻し、日本でもメジャー・リーグが注目された。日本人にとってますますアメリカ球界が身近になっているが、この一冊を読めばさらにメジャーを知ることができる! ベースボールへの造詣が深いお笑いコンビ「パックンマックン」のパックンがメジャー球界でよく聞かれる英語表現を解説する『パックンの最新野球英語講座 メジャー・リーグ中継を英語で味わってみよう!』(ベースボール・マガジン社)を10月15日に上梓する。その中から知っていると“メジャー通”になれる英語表現をピックアップして紹介する。 写真=Getty Images 160キロを超えるスピードボール

現地時間9月29日のアスレチックス戦で8回二死までノーヒットノーランの快投を見せた大谷
前回はバッターとしてのオオタニさんに関する表現をピックアップしたけど、今回はピチャーとしての表現を紹介しよう。なんといっても、彼は二刀流だからね。1回の記事だけじゃ収まらない! ホント、夢のような選手だよね。
『fireballer』 『flamethrower』 バッター・オオタニさんの魅力が特大のホームランなら、ピッチャー・オオタニさんの場合は160キロを超えるスピードボールだよね。日本でも昔はめっちゃ球の速いピッチャーのことを「火の玉投手」なんて呼んだらしいけど、たぶんこのfireballer(fireballは「火の玉」)やflamethrower(flameは「炎」)から来てるんじゃないかな? その豪速球を軸にして、安定感も抜群。quality startは日本でもよく聞くようになったから、知ってる人も多いかもしれないけど、2021年のオオタニさんは先発23試合中14試合がクオリティースタートで、これはエンゼルスのピッチャーではダントツだったよ!
ちなみにオオタニさんのような投打の二刀流は英語でtwo-way player。「二刀流」っていうと剣豪・宮本武蔵みたいでカッコいいけど、two-wayだとなんとなく味気ないよね。西部劇の二丁拳銃のイメージでdouble gun shooterなんて言い方があってもよさそうだけど、聞いたことないな。これから二刀流の選手がもっと増えてきたら、ピッチャーとバッターをくっつけて「ピッター」とか「バッチャー」なんて呼び方が出てくるかもね。
『Got him!』 ピッチャーのオオタニさんが三振を取ったときなんかに、アナウンサーがよく叫ぶのが「Got him!」。「取ったぞ!」とか「仕留めたぞ!」っていう意味で、三振以外にも使えなくはないけど、三振だったらすぐに結果が分かるから、アナウンサーもパッと言えるよね。カタカナにすると「ガッレム!」みたいな発音になるんだけど、声に出すとすごく気持ちいいよ。これを読んだら、みんなも試しに口にしてみてね。
「got him」には2つの意味があって、1つはさっきの「取った」。そして、後ろにto~をつけて「got him to~」とすれば「~させた」っていう意味になる。たとえば「He got him to ground out」って言えば「ゴロにさせた」、つまり「ゴロに打ち取った」っていうこと。中学校で習ったと思うけど「got」は「get」の過去形。この「get」は英語ではものすごく幅広く使われる単語なんで、ぜひ覚えてね。
PROFILE パトリック・ハーラン(Patrick Harlan)●1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハー
バード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組『ジャスト』、『英語でしゃべらナイト』(NHK)で一躍有名に。『モーニングサテライト』(テレビ東京)や『報道1930』(BS-TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)などにレギュラー出演。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し『コミュニケーションと国際関係』を教えている。
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