
写真=早浪章弘
巨人の
菅野智之か、
中日の
大野雄大か。事実上、この2人の一騎打ちとなった今年の沢村賞の選考は大野雄に軍配が上がった。ともに20試合に登板し、菅野は勝利と勝率で、大野雄は防御率、奪三振、投球回でリーグトップを記録。菅野が開幕13連勝でチームの優勝に貢献すれば、大野雄は10完投6完封、45回連続無失点でチームを8年ぶりのAクラスに導いた。ダブル受賞の可能性もあったが、大野雄が単独で沢村賞初受賞となった。
選考委員会の
堀内恒夫委員長は、オンラインでの会見に応じて、「一番悩んだのは菅野の開幕13連勝と大野雄の45回連続無失点。完投、完封、いろいろと加味した結果、大野雄となった」と説明した。選考委員が議論を交わし、最終的には両リーグトップの10完投が決め手となった。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって開幕が3カ月近く遅れ、120試合の短期日程を余儀なくされた異例のシーズン。大野雄は開幕戦を含めて6試合連続で勝ち星がなかったものの、7月31日の
ヤクルト戦(ナゴヤドーム)で今季初勝利を挙げると、そこから圧巻の内容でシーズン終了まで投げ抜いた。
ナゴヤ球場で会見に応じた大野雄は「(沢村賞は)ほど遠いタイトルだと思っていた。獲とれたらうれしいなと思って少しそわそわしていました。野手のみんながよく守ってくれたおかげだと思います」とやや緊張した面持ちで答えた。
中日からは2004年
川上憲伸以来16年ぶり9人目の受賞。「来年も同じような成績を残すことが目標。まずは優勝です」と力強く語った。
[沢村賞選考委員]
委員長/堀内恒夫(元巨人)、委員/
平松政次(元大洋)、
村田兆治(元
ロッテ)、
山田久志(元阪急)、
北別府学(元
広島)※敬称略