何かと新戦力が話題となるのが春季キャンプ。目標は各球団とも「優勝」。そのためには必ずキーマンとなる選手が投手にも野手にもいる。そんな各チームの優勝へカギを握る選手たちは誰なのか。 投手編・奥川恭伸 未来のエースとなる1年

1年目の苦い経験を、必ず糧にしてみせる
1年間先発ローテーションを守り切り、規定投球回到達が期待できる投手は、現状ほとんどいない。昨季は規定到達者ゼロで(
小川泰弘は規定に1イニング足りず)、先発の平均投球回はリーグワーストの5.01回と、リリーフに負担が集中した。
当然、今季の最重要課題は先発投手陣の再整備だ。小川だけでなく実績のある
高梨裕稔や
アルバート・スアレス、期待され続けている
高橋奎二らが意地を見せなければならない。そこで、いつまでも
石川雅規頼みの先発陣に発破をかけ、奮起を促す意味でも、
奥川恭伸の台頭は不可欠だろう。
高卒ルーキーながら即戦力の評価を受けていた昨季だったが、新人合同自主トレの時点で右肩に炎症が見つかり、その後は右ヒジも痛めるなど一進一退の調整が続いた。一軍デビュー戦となった
広島との最終戦(神宮)では、3回途中5失点KO。結果は残せていないが、
高津臣吾監督が「奥川を未来のエースに育てる」と話すように、ポテンシャルの高さに疑いの余地はない。
昨季の分の期待も背負い、今季こそ一軍で先発ローテに食い込みたい。奥川の台頭は、チームの未来をも照らす光になるはずだ。
■2020年成績■ 1試合0勝1敗0S0H防御率22.50 ■2021年期待数字■ 15試合以上先発 打者編・内川聖一 四番と助っ人のバックアップを

打線強化にチーム内競争激化と、内川加入の相乗効果は大きい
昨季全試合で四番に座った
村上宗隆が最高出塁率のタイトルを手にしたが、リーグトップの故意四球などで勝負を避けられる傾向があり、それは五番打者を固定できなかったことと無関係ではない。今季は、五番打者を確立し、相手が「村上との勝負を避けられない」状況を作り出すことが、ゲームを有利に進めていく上で必要になってくる。
候補には、
ソフトバンクから加入した
内川聖一を挙げたい。長打力が武器の
ホセ・オスナや
ドミンゴ・サンタナといった新助っ人もいるが、新型コロナの影響もあり、2月1日時点で入国の目途が立っていない。日本の野球に慣れるのにも時間を要すると見られるため、信頼度では通算2171安打の内川に軍配。クリーンアップの一角として、確実に走者をかえす打撃が期待される。
内川の守備位置は一塁のみで、村上は必然的に三塁を守る。つまり三塁、遊撃の両にらみで定位置を狙っていた
廣岡大志や
西浦直亨らが遊撃一本での争いを余儀なくされ、
元山飛優、
奥村展征らとし烈な争いを繰り広げることになる。こうしたチーム内競争は、選手個々の能力の底上げにもつながる。内川の存在が、さまざまな相乗効果をもたらすはずだ。
■2020年成績■ 42試合32安打1本17打点0盗塁打率.327 ※ウエスタン・リーグ ■2021年期待数字■ 80打点